南関あげ(なんかんあげ)
熊本県南関あげ(なんかんあげ)
分類(大)
農産
分類(小)
豆類加工品
主な使用食材
大豆、油
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主な伝承地域
南関町、玉名、玉名地域を中心に県下全域
食品概要(特徴・種類)
南関あげは、南関町に江戸時代から伝わる油揚げである。一般的な油揚げに比べ大きく、一辺は25cmぐらいで、パリパリとしている。水分含有量が一般的な油揚げに比べ少ないため、常温で2~3か月程度の長期保存ができる。この地域では日常の食卓になくてはならないものであり、食品名に地域の名が冠されている。
味噌汁、煮物、煮込み料理、巻き寿司、鍋、炊き込みご飯など、さまざまな料理に広く使われる。
歴史・文化、関連行事
江戸時代、1637~1638年にかけて起こった「島原の乱」の後、住民が減った島原への四国の伊予松山地方の人々の移住により、この油揚げの製法が伝わったといわれる。現在でも、四国には同様の油あげが「松山あげ」として残っている。
大正時代には幅がもう少し狭く、身が厚かったともいわれるが、さらに長期保存できるように改良されたのが現在の南関あげの原形になったと考えられる。
製造方法
水に浸した大豆をすりつぶして豆乳をつくり、凝固剤を入れて豆腐をつくる。出来上がった豆腐を5~6mmほどの厚さにスライスし,しっかり圧縮する。その後、低温から高温へ温度を変えながら、しっかりと水分が抜けるまで油で二度揚げする。
十分に水分を抜いているため傷みにくく、常温で2~3か月程度の長期保存ができる。
保護・継承の取り組み
地域の郷土料理グループなどが、幼稚園や小学校での食育活動や一般向け料理教室などで伝えている。物産館やレストランなどでも郷土料理として提供している。
熊本県による取り組みである、地域に伝わる郷土料理を伝える「くまもとふるさと食の名人」において、南関あげを用いた料理のつくり方を体験教室やYouTubeなどで伝えている。
主な食べ方
日常的に味噌汁に使われるほか、「南関煮しめ」や「南関あげ巻き寿司」に使われることが多い。
「南関煮しめ」は複数の野菜と一緒に南関あげを煮て大皿に盛ったもので、昔からお祝い料理として欠かせず、正月、お祭りなどのもてなし料理や、法事の精進料理としてつくられてきた。
「南関あげ巻き寿司」は、だし、砂糖、しょう油などで煮た南関あげをのりのかわりにして巻いた寿司のことで、お祝い事だけでなく現在では日常的にもつくられ、運動会のお弁当としても好まれている。
アレンジレシピ:南関あげ巻き寿司(10本分)
材料
米
カップ9
A(合わせ酢) 酢:カップ1と1/2 砂糖:カップ1と1/2 塩:大さじ3
南関あげ
10枚
干し椎茸
20枚
だし昆布
20cm
かんぴょう
100g
人参
200g
ほうれん草
150g
B 砂糖:大さじ3 しょう油:100ml 酒・みりん:各大さじ4
厚焼き卵
卵:10個
C 砂糖:大さじ3~4 塩:小さじ1/2
作り方
【下準備】椎茸、昆布を7~8カップの水に浸けて戻しておく。(戻し汁は3で使う。)
米は炊く30分前に洗ってザルに上げておき、固めに炊いたらAを回しかけ、すし飯にする。
底の広い鍋に湯を沸かして南関あげを割れないように入れ、油抜きをする。
椎茸と昆布を戻し汁ごと鍋に入れて火にかけ、煮立ったら椎茸と昆布を取り出す。
4のだし汁6カップに、塩もみして水で洗ったかんぴょうと椎茸を入れて煮る。しばらく煮たらBの調味料を加えて十分味をしみこませる。
5のかんぴょうと椎茸を取り出し、南関あげを入れる。落としぶたをして煮て、味を含ませる。椎茸は細切りにする。
南関あげに味がしみこんだら取り出し、残った汁で7mm角の棒状に切った人参を煮る。
ほうれん草は固めにゆでて水にさらし、そろえて水気を絞る。しょうゆ大さじ1/2(分量外)をからめて再び水気をよく絞っておく。
卵は溶きほぐしてCで調味し、厚焼き卵を作って棒状に切る。
のり巻き寿司の要領で、南関あげの上に寿司飯を広げ、汁気を切った具をのせて巻く。
提供元:くまもとのふるさとの食レシピ集【上巻】