南関そうめん(なんかんそうめん)
熊本県南関そうめん(なんかんそうめん)
分類(大)
農産
分類(小)
穀類
主な使用食材
小麦粉、塩
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主な伝承地域
南関地域、玉名
食品概要(特徴・種類)
南関そうめんは、南関地域で古くからつくられている手延べそうめんである。小麦粉と塩に水を合わせて、よく練っては寝かし、延ばしては寝かしを繰り返し、天日に干す。全工程が手作業のため非常に手間がかかり、大量生産ができない。ゆでても伸びないコシの強さと、シコシコとした歯ざわりが特徴。南関そうめんには「曲げそうめん」と「白髪そうめん」の2種類がある。「曲げそうめん」は長さ2~3mのそうめんを木枠に巻いて成形しており、束ねた形状で出来上がる。「白髪そうめん」は極限まで細くしたもので、その細さは木綿針の針穴に5本の麺が通る程である。 現在は「曲げそうめん」が主流となっていて、「白髪そうめん」は、より熟練の技が必要とされることから貴重なものとされており、製造会社は限られている。
歴史・文化、関連行事
南関そうめんは歴史が古く、約300年以上前の寛永年間に小豆島の人がその製法を伝えたと言われている。江戸時代、熊本藩主の細川氏は、参勤交代の際に肥後の土産として将軍家に献上していた。明治中期の最盛期には200を超える製麺所があり、すだれのように長く延ばしたそうめんを干す光景が数多く見られていたが、現在は数軒ほどが昔ながらの製法を引き継いで生産している 。かつてはお祝いの席やお客をもてなすときに振る舞われていた高級品である。
また、麺をつくるときにできる副産物である「ふし」も食され、そうめんとは違う食感を楽しめる。
南関町出身の北原白秋もこのそうめんを好んだとされ、そうめんを干す光景を詩に詠んでいる。
製造方法
小麦粉と塩に水を合わせてよく練る。油を入れる場合もある。練ったものを寝かせて熟成させつつ、延ばしたものを天日に干す。古くからの手法である「白髪そうめん」は極限まで細く延ばされたそうめんである。生地を渦状に切り出して細く延ばした麺を、壁に差し込んだ2本の棒に八の字にかけ、手に持った2本の棒を巧みに扱って麺を細く長く延ばしていく。壁に差し込んだ棒の間隔を徐々に広げ、最終的には1.5mほど離し、麺を極限まで細くする。江戸後期には「曲げそうめん」という、2~3mに延ばしたそうめんを曲げ枠と呼ぶ木枠に束ねて干す手法が考案され、現在では曲げそうめんを中心につくられている。
保護・継承の取り組み
現在もお中元などの贈り物として選ばれており、地元の生活研究グループにより「南関ふしそうめんのあれかけ」という料理が開発され、現在は南関町の学校給食で提供されているほか、熊本県による取り組みである、地域に伝わる郷土料理を伝える「くまもとふるさと食の名人」において、つくり方を体験教室やYouTubeなどで伝えている。
主な食べ方
ゆでて冷たくして食べるほか、温かい汁に入れて食べたりもする。ゆでる時はたっぷりのお湯を使い、ゆでた後にしっかりと水でもみ洗いをする。「ふしそうめんのあれかけ」(南関地区では、だんごを小豆のあんであえたものを「あれかけ」という)は、ゆでたふしそうめんを冷水でもみ洗いし、甘く煮た小豆あんであえる。
アレンジレシピ:南関ふしそうめんのあれかけ(10人分)
材料
南関ふしソーメン
2袋(200g)
小豆
450g
砂糖
500g
塩
小さじ1
水
3リットル
作り方
小豆は一晩水につけ、つけ水は捨てる。圧力鍋につけた小豆と1リットルの水を圧力鍋に入れ、沸騰したら中火にして煮る。
煮た小豆を粗くつぶしにして砂糖を加える。 ふしソーメンは鍋に水2リットルを沸騰させ約2分茹でる。
ザルにあけて湯を切り、冷水でもみ洗いし表面のぬめりを取る。
2に4を入れ中火で混ぜながら5分程度温め塩を加える。
提供元:くまもとふるさと食の名人レシピ