奈良の饅頭(ならのまんじゅう)
奈良県奈良の饅頭(ならのまんじゅう)
分類(大)
その他
分類(小)
菓子類
主な使用食材
小麦粉、小豆あんなど
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主な伝承地域
奈良県
食品概要(特徴・種類)
奈良県は我が国におけるまんじゅう発祥の地であり、現在に至るまでさまざまなまんじゅうがつくられ、まんじゅうを中心とした菓子文化が根付き、人々に食されてきた。これらを「奈良のまんじゅう 」と称しいくつかのまんじゅうと菓子を紹介する。
歴史・文化、関連行事
室町時代、大陸より渡来した林浄因(りんじょういん)が、小豆あんのまんじゅうを我が国に伝えたことがまんじゅうの始まりとされている(この説とは別に、円爾が福岡に伝えたという説もある)。まんじゅうは奈良の名物になるとともに日本中に広がる。
「奈良まんじゅう」は、林浄因が奈良で初めてつくったまんじゅう由来のまんじゅうと言われている。当初は蒸しまんじゅうであったが歴史とともに姿を変え、焼きまんじゅうとなった。薄皮に小豆あんが包まれたシンプルなお菓子である。
「宇陀川」は、寒暖差のある宇陀市で栽培される「宇陀大納言小豆」を原料につくられる。とても薄い皮に小豆あんを包んだものである。薄皮は1mmに満たない。
「ぶと饅頭」は、遣唐使が持ち帰り、春日神社の供物とされていた唐菓子「ぶと」を、戦後復活させ、今風にアレンジしたもの。小麦粉の生地であんを包んだものを油で揚げて砂糖をまぶしたものである。
「女夫饅頭(めおとまんじゅう)」は、伊勢参りの土産として人気の品であり、江戸時代の文献に登場した名菓として伝わり、製造が途絶えていたところ、奈良市の菓子店が江戸の味を現代によみがえらせた。紅白の薯蕷(じょうよ:つくねいもを原料とする生地)で粒あんとこしあんを包み、蒸してつくられるまんじゅうである。
「青丹よし」は、短冊形にした干菓子を青と赤に染め、白雲を配したもの。享和年間(1801~1804年)に有栖川宮織仁親王(ありすがわみやおりひとしんのう)が、中宮寺門跡を訪れた際に食した「真砂糖(まさごとう)」をたたえ、今の名称と色を提案し、つくらせたものと言われている。主に、茶席の干菓子として食され続けてきた。
「大折饅頭」は、春日大社で五穀豊穣、万民安楽を祈り執り行われる「春日若宮おん祭」で幕末まで供えられていたまんじゅうである。「春日若宮おん祭」は毎年12月17日を中心とした期間に開かれており、その期間に限って奈良市の菓子屋が復元している。「おんまつりまんじゅう」とも呼ばれ、酒かすが入った蒸しまんじゅうとしてつくられている。
製造方法
小麦粉などを原料とした生地で小豆あん(粒あん、こしあん)を包んだもの。小豆あんを包む前に生地を焼いたり、小豆あんを包んだ後に蒸したりしてつくられる。
製法やあんの原料はさまざまである。
保護・継承の取り組み
奈良市の林神社では、林浄因を「我が国まんじゅうの祖」として、まんじゅうの神様、林浄因命(りんじょういんのみこと)として祭って いる。毎年4月19日になると「まんじゅう祭」が行われ、林浄因の偉業をたたえ、菓子業界の繁栄が祈願される。
主な食べ方
菓子としてそのまま食す。お茶請けとして食す。それぞれのまんじゅうが関連する祭りや行事にあわせ、年中食される。