鳴沢菜漬け(なるさわなづけ)
山梨県鳴沢菜漬け(なるさわなづけ)
分類(大)
農産
分類(小)
漬物
主な使用食材
鳴沢菜、昆布、醤油、ざらめ、穀物酢
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主な伝承地域
鳴沢村
食品概要(特徴・種類)
南都留郡鳴沢村特産の鳴沢菜は、江戸時代より栽培される地域の伝統野菜。富士山麓の冷涼な空気、富士山の火山灰土の土壌、富士の伏流水など、鳴沢地域特有の気候風土が生んだ、固有の野菜である。茎が細くて柔らかく、シャキシャキとした食感と食味のよさを生かすため、主に浅漬けや醤油漬けなどの漬物にして食べられる。それらを総称して鳴沢菜漬けと呼ぶ。
漬物としてそのまま食べるだけでなく、おやきや炒めものに使用したり、チャーハンやパスタの具材に加えたりと、様々な料理に使われている。
鳴沢菜は2か月ほどで生育するため初夏採りと秋採りの二期作が行われ、最盛期は10月中旬~下旬頃。漬物にする場合は夏に植えて秋冬に収穫するのが一般的。霜に1~2回当たると葉のアクが抜け、さらに甘みが増すという。
歴史・文化、関連行事
甲斐国誌によれば、1814(文化11)年の記述に鳴沢村の産物「菘(つけな)」とあり、19世紀初頭の江戸時代には鳴沢菜がつくられていたとされる。
寒冷地の鳴沢村では冬場の青物は貴重であり、換金作物としても重要だった。生のまま味噌汁や炒め物、お浸しやおやきなどに使われたが、保存の意味からも漬物にされることが多かった。
また、葉を編んで吊るし、寒風に干すという寒冷地ならではの凍結乾燥法も保存のために取り入れられ、干した葉はおじやや味噌汁の具に、根は切干大根風に利用されてきた。
なお、鳴沢菜は野沢菜と見た目が似ているが、遺伝子的にはかぶの一種である京都の長禅寺菜の系統に入る。
製造方法
葉についた 汚れや株もと の隙間に入り込んだ土などをよく洗い、大きく太いかぶ がついて いる場合は包丁で十字、または一文字に切れ込みを入れておく。漬物容器に、一段ごとに茎の向きを変えながら隙間なく詰め、昆布 を散らして合わせた調味料(醤油 、ざらめ、穀物酢)をまわし かける。落とし蓋 をして鳴沢菜の倍量の重石 をのせ、水があがったら重石 を半量に減らして冷暗所へ。食べ頃は1週間目以降。
保護・継承の取り組み
鳴沢菜漬けの名称で道の駅などで販売するほか、期間も数量も限られるが、インターネットでの購入も可能。
また、鳴沢菜自体の生産量が年々減少するなか、JA鳴沢村を中心に県や村、地元の農家が協力し、鳴沢菜復活に向けての地道な取り組みを始めている。まずは、農林水産省による「地理的表示(GI)保護制度」への登録を目指し、鳴沢菜の生産量を回復するための畑をつくって一株でも多く収穫することから行っている。
主な食べ方
おやきや炒めもの、チャーハンに入れたり、パスタなどの洋の料理にも使われる。とくにちりめんじゃこや鷹の爪とともにササッと炒め、醤油や砂糖で調味する炒め物は必要な材料が少なく手軽にできるため、ご飯のおともに酒肴にと、食卓への登場回数が多い。
また、少し強めに塩をしてじっくり自然発酵させるなど、漬け方で工夫したものを、長く楽しむこともある。
アレンジレシピ:鳴沢菜漬けの炒め物
材料
鳴沢菜漬け
350g
ちりめんじゃこ
50g
鷹の爪
少々
油
適量
調味料
醤油
大さじ1
砂糖
小さじ1
作り方
鳴沢菜漬けを3cm程度に切る。
フライパンで油を熱し、鷹の爪を入れる。
2に鳴沢菜漬けと、ちりめんじゃこを加え炒める。
調味料を加え炒めたら完成。
※調味料は漬物の漬かり具合により分量が変わるため調整が必要。
提供元:やまなしの食 山梨県(山梨県県民生活部消費生活安全課)