納豆(なっとう)
発酵食品
茨城県納豆(なっとう)
分類(大)
農産
分類(小)
豆類加工品
主な使用食材
大豆
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出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
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主な伝承地域
県央地域(水戸市)
食品概要(特徴・種類)
納豆といえば、言わずと知れた水戸の名産である。その昔、水戸藩は那珂川の氾濫に備え、台風前に収穫する早生大豆の栽培を奨励していたが、早生大豆は粒が小さいため醤油や味噌の加工には向かなかった。そこで、小さくても美味しく作れる加工品として納豆に注目。今でも水戸の納豆といえば小粒が特徴である。江戸時代になると一般家庭でもよく食べられるようになり、汁物に入れたり、醤油をかけたりして食べていた。
現在もスーパーマーケットなどで手軽に購入できる他、各家庭でも作られており、水戸の有名納豆店でも製造販売されている。パック入りの納豆はもちろんのこと、容器に松の経木(きょうぎ)を使用した経木納豆や、昔ながらのわらに包まれたわらづと納豆、切り干し大根を混ぜて漬け込んだ、そぼろ(しょぼろ)納豆、納豆を乾燥させた干し納豆など、特色のある納豆が多数販売されており、土産物としても観光客に人気がある。
納豆には大豆の豊富な栄養があり、発酵させることで成分はさらに増加する。腸内環境を整える納豆菌や血液をサラサラにする働きのあるナットウキナーゼ、女性ホルモンに似た働きをする大豆イソフラボン、アンチエイジング成分のポリアミンなど、健康を保つ上で欠かせない栄養素がたっぷり含まれており、健康食品の代表格とも言われている。
歴史・文化、関連行事
水戸の納豆の発祥として平安時代の武将・源義家にまつわる伝承がある。源義家が奥州平定に赴く途中、わらで包んだ軍馬用の煮豆が糸を引いており、家来が食べてみると非常に美味しかったので、義家に献じたところ大変喜んだ。以降、大豆とわらは庶民でも手に入れやすい材料だったことから、近郷の農家に広まっていった。
長く郷土食だった水戸の納豆だが、1889年、水戸鉄道(現JR水戸線)の開通に伴い、水戸駅のホームなどで販売され始めると、納豆の産地として著名になった。小粒な納豆は米に絡みやすく、「豆が小さくて、うまい!」と評判になり、土産物としてその名が全国に知られるようになった。
製造方法
蒸した大豆に納豆菌を散布し容器に詰め、温度と湿度を管理した室(むろ)でじっくり発酵させた後、冷却と熟成の工程を経て完成させる。シンプルな製造工程であるが、おいしくできるかどうかは発酵から熟成までの温度と湿度の管理にあると言われている。
保護・継承の取り組み
藁苞納豆は、束ねた稲わらの中に一つずつ手作業で煮豆を詰めて発酵させる伝統的な製法による納豆で、現在も土産物や贈答品として販売されている。
しかし、近年は稲わらを生産する農家が少なくなったことや、藁苞を加工する人手の減少により、藁苞の供給が不足している。そのため、水戸の農家が新しい方法で稲わらを生産・乾燥させ、福祉施設で丁寧に加工することで、良質な藁苞の供給に取り組んでいる。
水戸商工会議所は水戸市などと協力し、納豆食べ方コンテストを実施。全国から調理法を募集し、納豆が苦手な子どもでも食べられる料理や、独創的な入賞作品をネット上で公開するなど、消費促進に力を入れている。
主な食べ方
納豆と非常に馴染みが深い県央地域では、納豆を使った伝統食も存在する。その一つが刻んだ切り干しだいこんを納豆と混ぜ合わせるしょぼろ(そぼろ)納豆である。茨城県では、だいこんも多く収穫されるため、各家庭で切り干しだいこんを保存食として作っていた。秋に収穫した大豆で納豆を作り、近所やお寺などに配る際、余った納豆を長く食べられるように、切り干しだいこんを混ぜて塩漬けにし、醤油、みりんなどを加えた保存食である。1か月ほど経ってしっかり味が染み込んでからいただく。塩気が濃いため、ご飯のお供に食べられる他、お茶漬けの具や酒の肴としても食べられている。納豆のホクッとした食感と、切り干し大根のシャキシャキした食感の対比が楽しめ、手順も簡単なことから家庭でもよく作られている。
納豆を乾燥させた干し納豆は、干すことにより納豆の旨味や栄養が凝縮され、また違った味わいを楽しむことができる。コリコリとした歯ごたえがあり、お茶請けや酒のつまみとして食べられている。
アレンジレシピ:納豆とオクラの和え物
材料
納豆
1パック
オクラ
6本
塩
少々
しょうゆ
少々
かつおぶし
少々
作り方
オクラは塩で細かい毛をこすり取り、塩ゆでをし小口切りにする。
ボウルに納豆、1のオクラを入れてよく混ぜて、しょうゆで味をととのえる。
器に盛り、かつおぶしをかける。