のどぐろの干物(のどぐろのひもの)
島根県のどぐろの干物(のどぐろのひもの)
分類(大)
水産
分類(小)
乾物
主な使用食材
のどぐろ
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主な伝承地域
浜田市
食品概要(特徴・種類)
標準和名はあかむつと言うが、口の中が黒いこともあって全国的にはのどぐろの名で知られている。のどぐろは、北海道から沖縄までの広い範囲で取れるが、浜田漁港で水揚げされるのどぐろは、脂の乗りがよくおいしいことから全国的にも有名である。脂質の豊富なプランクトンや甲殻類の多い山陰沖の水深200m前後の深海に生息し、なかなか水揚げされないため、地元でも高級魚として特別な日に振る舞われることが多い。白身の上品な味わいで、口の中でとろけるほど脂の乗りがよく、「白身のトロ」「赤い宝石」などと呼ばれ人気が高い。年間を通しておいしい魚だが、特に脂の乗った秋ののどぐろの味わいは絶品である。
地元では刺身や煮付けでも食されているが、一夜干しにしたのどぐろの干物は癖になる味としてファンが多い。一夜干しは日光に当てないため、身が酸化すことなく旨味が凝縮される。水分が身の中に閉じ込められるので、普通の干物の焼き魚よりもみずみずしい食感になる。食べる時には素焼きでのどぐろの旨味を十分に引き出して味わうのがおすすめである。
歴史・文化、関連行事
深海に生息するのどぐろは、1950年代頃まであまり人気のない魚だったが、近年はまだい、ひらめ、とらふぐにも負けない高級魚として全国的に珍重されている。浜田市では、2009年にのどぐろを市の魚に制定し、ブランド化に取り組んでいる。
製造方法
取れたばかりののどぐろは身がとても柔らかい。強く握ると身が傷ついたり、へこんだりするので、手作業で一尾ずつ丁寧に内臓や血合いを取り除いていく。柔らかい身のため、一夜干しにするための漬け液の塩分濃度や漬け込む時間は、のどぐろの大きさはもちろん、その日の気温や湿度によって職人が1匹ずつ見極めていく。塩加減同様、干し加減によって味や口当たりが変わるため、乾燥時間にも微調整が必要となる。
保護・継承の取り組み
浜田市では、市独自の水産物ブランド化戦略会議を立ち上げ、のどぐろのブランド化を推進。浜田市を代表するあじ、かれいとともに「どんちっち三魚」と名付け、全国に向けての情報発信の強化と水産資源を守る活動に取り組んでいる。具体的には、(1)沖合底びき網操業で漁獲し、浜田漁港で水揚げした高い鮮度のもの(2)サイズが80g以上のものを「どんちっちのどぐろ」に認定し、ブランド魚として出荷している。また、誰が、いつ、どこで、どのように取った物なのかを公開する漁獲物出荷情報サイト「どんちっちトレーサビリティ」によって品質維持に努めている。
ちなみに「どんちっち」とは、もともと神楽の囃子を表現する幼児言語のことで、これが総じて石見神楽全体を意味するようになった。日本遺産に登録された石見神楽とともにのどぐろを広く発信していこうとする気持ちが込められている。
主な食べ方
のどぐろの干物の旨味を最大限に楽しむためには、そのまま素焼きして食べるのが一番。もし味に変化を付けたい時は、シンプルに醤油と大根おろしか、ポン酢を少しかけて食べるのが良い。また、「のどぐろ」そのものの旨味を味わうには、塩焼き、または煮付けで食べるのがおすすめである。
アレンジレシピ:のどぐろの干物のお茶漬け
材料
のどぐろの干物
1枚
ごはん
2杯分
小梅
2個
わさび(チューブ)
少々
青ねぎ(小口切り)
適量
きざみのり
適量
お湯
500cc
昆布茶(粉末)
小さじ2
作り方
のどぐろの干物を焼き、ほぐす。
ごはんに、ほぐした干物・わさび・青ねぎ・きざみのりをのせる。
お湯に昆布茶を溶かし、2にかける