のし梅(のしうめ)
山形県のし梅(のしうめ)
分類(大)
その他
分類(小)
菓子類
主な使用食材
完熟梅、砂糖、水飴、寒天
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主な伝承地域
山形市、山形県全域
食品概要(特徴・種類)
のし梅は、完熟梅を使った山形の伝統銘菓。樹上で完熟させた梅の実を、砂糖、水飴、寒天とともに煮詰めて薄くのばし、乾燥させてつくられる。江戸時代からの歴史に彩られるこの菓子は、軽くて薄く、日持ちもするため、湯殿山・羽黒山・月山からなる出羽三山を詣でる旅人たちにも、みやげとして重宝されたという。
芳醇な完熟梅の爽やかな香りと、もっちりとした独特の食感。そして上品な酸味と甘み。竹の皮で挟む特徴的なスタイルや琥珀色に透き通る姿も美しく、茶席の菓子に利用されるほか、和洋の料理の食材としての応用も広がっている。
歴史・文化、関連行事
のし梅の発祥については諸説ある。一説には山形藩の御殿医だった小林玄端が長崎遊学の際、中国人から梅を使った気付け薬の製法を伝授され、それを山形の薬局で再現したのが起源だといわれる。
もともと紅花の産地だった山形では紅の色を抽出するために梅酢を使っており、梅の生産が盛んに行われていた。主原料の梅が手近にあったことも、銘菓・のし梅の誕生にひと役買っている。
のし梅を創製したとされる佐藤屋は、初代の佐藤松兵衛が1821(文政4)年に創業した、200年余の歴史を誇る老舗。三代目の松兵衛(代々この名を継ぐ)が明治初期に梅の果肉を使った菓子に「乃し梅」と命名したというが、冒頭に記載した、のし梅の起源となる梅の気付け薬を再現した薬局が初代・松兵衛の実家とあって、当時から似た商品があったとも想像できる。乃し梅はまた、日露戦争の際に戦地の乃木希典大将に届けられたとの記録も残る。
その後も改良が重ねられ、概ね現在の製法になったのは、大正を迎えた頃。今は8代目による先進的な商品開発が行われ、ヨーグルトにかけたりソーダで割ったりできる「乃し梅のシロップ」など、新しい加工品が生まれている。
製造方法
完熟梅の梅肉をつぶす。砂糖と寒天、水飴とともに梅肉を煮詰め、ガラスの型枠等に薄く流してゼリー状に凝固させる。長方形に切り、1枚ずつ竹の皮に挟んでつくられる。
保護・継承の取り組み
既存品に加え、現代の食生活・ライフスタイルに合う新たな加工品が誕生している。それらは既存品とともにインターネット等でも販売され、気軽に購入できる。
主な食べ方
そのままお茶請けに食べられている。携行性と保存性に優れることから、手みやげにしたり、外出先での休憩時間や、スポーツシーンなどにさっと取り出して食べるなどもある。また、千切りにして和食の和え物にしたり、チーズにのせて洋のオードブルにするなど、和洋の料理や酒肴の食材としての応用も広がっている。
アレンジレシピ:のしうめときゅうりの和え物
材料
のしうめ
2枚
きゅうり
1/2本
塩
各少々
オリーブオイル
適量
白炒りごま
適量
作り方
のしうめ、きゅうりは細切りにする。
ボウルに1、塩、オリーブオイルを入れて和える。
器に盛り、ごまをふる。