能登志賀ころ柿(のとしかころがき)
石川県能登志賀ころ柿(のとしかころがき)
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
最勝柿
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主な伝承地域
羽咋郡志賀町
食品概要(特徴・種類)
能登志賀ころ柿は石川県羽咋郡志賀町で作られる干し柿のことで、正月用の甘味として親しまれてきた。原料の「最勝柿(さいしょうがき)」は、完全渋柿に分類される志賀町原産の干し柿専用柿である。能登志賀ころ柿は、長円形で飴色をしており、肉質は緻密で柔らかいのが特徴。糖度は平均20度程度と高く極上の味わいになる。
歴史・文化、関連行事
ころ柿作りは、江戸時代に農家が自家用に生産したことから始まったと言われているが、能登志賀ころ柿作りは、明治22(1889)年に志賀町の旧加茂村と旧下甘田村の農家が干し柿に最適な柿の優良系統を選抜したことが起源だという。現在の最勝柿が販売用に生産が始まったのは、昭和7(1932)年頃だと言われている。昭和30年代までは冬季の農家の副業としての生産が主だったが、昭和63(1988)年に志賀町が取り組んだ柿植栽促進事業により、植栽面積の拡大や栽培・加工に関わる機械の導入で本格的な生産が始まった。
製造方法
収穫時期は10月下旬~11月中旬で、最盛期は11月中旬頃加工に適した果実になるまで追熟させる。果底部の皮の色が一定の基準に達したら、へたとり機や皮むき機を用いて柿のへたとりと皮むきを行う。その柿を1本の紐の両端にくくりつけ、竹竿等に掛けて吊るす。次に、吊るした柿を25分程度硫黄にて燻蒸した後、干し場に移し2~3週間程度自然乾燥させる。続いて、吊るした柿を乾燥室へ移動させ温度・湿度に気を配りながら果肉がやわらかくなるまで果実を手もみし、ストーブやヒーターを用いて1週間程度乾燥させる。この手もみによって水分や果肉が均等になり、水分が抜けやすくなるという。加熱を止めても果実表面に水分が見られなくなったら、吊るした柿を乾燥室から仕上げ室に移す。最後に冷暗所で保管し、果実の表面に果糖の結晶が出たら完成である。ころ柿は、12月上旬~2月下旬に食べ頃を迎える。
保護・継承の取り組み
高齢化や後継者不足による生産者の減少のため出荷量が徐々に減少し、一時期最勝柿の生産量が最盛期の平成4(1992)年の7万箱の半分以下にまで減少した。このため、平成5(1993)年にJA志賀が「ころ柿部会」を設立。最勝柿の栽培技術の統一やころ柿の加工マニュアルを作成するなど、安定的に出荷できる体制の確立などに取り組んでいる。また、ころ柿産地の振興を図るため、中能登農林総合事務所はJA等と協力し、平成27(2015)年に「ころ柿の里しか再生プロジェクト」をスタート。さらに、平成28(2016)年10月に地理的表示保護制度(GI)に登録されたことをきっかけに、GIを活用したブランド化に向けて取り組み、令和元(2019)年に能登志賀ころ柿の最上級規格「プレミアム」を出荷した。平成29(2017)年から台湾等へも春節需要向けに輸出されている。令和4(2022)年には、石川県産ブランド農林水産物「百万石の極み」に認定。
主な食べ方
お茶請けなどでそのまま食べるのが一般的である。年末年始の贈答品としても利用される。
アレンジレシピ:能登志賀ころ柿入りなます
材料
能登志賀ころ柿
2個
大根
1/2本
にんじん
1/2本
塩
小さじ1/2
A 塩:大さじ1/2 砂糖:大さじ4 酢:1/2カップ
作り方
干し柿は細切りにする。大根、にんじんは長さ4cmの細切りにし、塩をふりしばらく置き、水気を絞る。
ボウルにAを入れてよく混ぜて、①の干し柿、大根、にんじんを加えてあえる。