ぬかにしん
発酵食品
北海道ぬかにしん
分類(大)
水産
分類(小)
水産発酵食品
主な使用食材
にしん
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主な伝承地域
小樽市
食品概要(特徴・種類)
にしんをぬかに漬けたもの。にしんの柔らかい身に、ぬかの味が染みているため熟成した旨味が感じられる。3~5月に水揚げされるにしんは「春にしん」と呼ばれており、脂が多くのっているため、ぬかにしんにするとおいしく人気。ぬかにしんは、塩分が多く含まれているため、夏場の塩分補給や食欲増進のため食べられることが多い。地域によって「すしにしん」と呼ぶこともある。
歴史・文化、関連行事
発祥は、江戸時代と言われている。輸送の際に船を利用していた当時は、北海道から北陸・関西地方まで物資を運ぶのに、時間がかかっていた。そのため、にしんの魚をぬかに漬けて保存することを開発した。これがぬかにしんの始まりと言われている。ぬかに漬けることで日持ちし、全国に運ぶことが可能になった。
製造方法
にしんの鱗をとり、頭・内臓・しっぽを切り落とし、背と腹の間に存在する赤色線維筋を抜く。この時、手に骨が刺さらないように割り箸などを使うとよい。その後、にしんをきれいに洗い、ぬかと塩を混ぜたものをまぶす。塩の量は少ないと長期保存ができなくなり、多すぎるとしょっぱくなってしまうため注意。まぶし終わったら、フタ付きの容器にいれ、重石をして寝かせる。昔のぬか漬けは、長期間保存をするため塩分を多くし、水分の多いぬか床に漬けていた。そのため塩辛いものが大半だった。近年では、塩分少なめの甘口タイプの商品もあり、優しい旨味を感じられるよう工夫されている。
保護・継承の取り組み
小樽市は日本の中でも数少ないにしんが水揚げされる地域であるが、1950年に小樽市の水揚げ量が激減し、「幻の魚」と呼ばれるようになった。その後、国産のにしんを食べる機会が失われないよう、1990年代後半に、にしんの資源増大対策の一環として、16万尾の稚魚が放流され水揚げ量が回復。その後、北海道の各地域で合計200万尾以上の稚魚が放流された。また小樽市では、新鮮なにしんを地元の人や観光客に伝えるために毎年「おたる祝律にしん・おタテ祭り(※)」が開催されている。祭りでは、にしんの幼魚を海に放流したり、にしん焼きを楽しめる。
※おタテとは、小樽産ほたてを意味する造語
主な食べ方
焼いて食べるのが一般的。ぬかを水で洗い落とし、にしんをグリルにいれる。弱火と中火の間くらいで焼き、脂が皮からあふれ、両面に少し焦げ目がついたら完成。ほかにも、代表的な郷土料理に、ぬかにしんと根菜を煮込んだ「三平汁」がある。昆布で出汁をとり、ぬかにしんや根菜を食べやすいサイズに切り、煮込む。具材が柔らかくなったら醤油で味つけをする。三平汁の由来は諸説あるが、漁師の斎藤三平が作ったことからその名がついたと言われている。