おぼろ昆布(おぼろこんぶ)
福井県おぼろ昆布(おぼろこんぶ)
分類(大)
水産
分類(小)
海藻製品
主な使用食材
昆布
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主な伝承地域
嶺南(敦賀市)
食品概要(特徴・種類)
おぼろこんぶは、乾燥させたこんぶを酢に漬けてやわらかくしたものを、手作業で一枚一枚薄く削ったもの。薄さは0.01mm程で、向こうが透けて見えるほどに薄い。つくるには熟練した技術が必要である。口溶けが良く、後にはうま味と酸味の余韻が残る。現在流通するおぼろこんぶの大半が福井県敦賀市で生産されている。
「とろろこんぶ」と間違われやすいが、おぼろこんぶが手作業で一枚のこんぶから削り出すのに対し、とろろこんぶは何枚ものこんぶ昆布を圧力で大きなブロック状にしてから機械で削るという違いがある。
歴史・文化、関連行事
こんぶは、薬として珍重されるなど古来より貴重であった。平安時代では宮中、貴族、寺社など特権階級の食べ物だったが、中世以降は徐々に人々の生活に浸透し、武士の糧食や仏教行事の精進料理に使われるようになった。より一般に広まったのは江戸時代である。
江戸時代の敦賀は、北海道から関西へ荷物を運ぶ北前船の重要な寄港地で、食材や物資の集積地として賑わいを見せていた。運ばれる物資の中でも特に重要で取扱いが多かったのがこんぶである。北海道から北前船で運ばれたこんぶが敦賀で陸揚げされ、「おぼろこんぶ」等に加工されるようになった。加工されたこんぶは敦賀と京都を結ぶ「こんぶロード」を通って、消費地である京都に運ばれた。そうした歴史から、今日でも敦賀には多くのこんぶの加工産業が存在している。こんぶを途中の中継地で加工する理由としては、運搬しやすくするためと、加工により付加価値を高めるためであったと考えられる。
製造方法
乾燥させたこんぶを酢に漬けた後引き上げ、一晩から数週間程度寝かせる。酢はこんぶのおいしさを引き出し、やわらかくする作用がある。やわらかくなったこんぶを押さえ、刃先を曲げた専用の包丁で薄く削る。こんぶを削って、最後に残る白い芯の部分は白板こんぶと呼ばれ、サバ寿司(バッテラ)に乗せて使う。波状の模様が出ているものほど薄く削れていると言われる。
保護・継承の取り組み
敦賀の食資源を生かしたご当地グルメを創造する「つるがUMAMIグルメ」に敦賀市内の飲食店が参加し、おぼろこんぶを用いたおむすびが多数考案され、令和4年3月より販売されている。
主な食べ方
ご飯に乗せて食べたり、おにぎりを包んだり、味噌汁やお吸い物に入れたりする。うどんのトッピングにも相性が良い。
アレンジレシピ:おぼろ昆布のお吸い物(2人分)
材料
おぼろ昆布
適量
醤油
適量
みりん
適量
かつお節
適量
お湯
300ml程度
作り方
お椀にお湯をそそぎ、醬油とみりんを適量混ぜる。
おぼろ昆布とかつお節を入れる。