隠岐あらめ(おきあらめ)
島根県隠岐あらめ(おきあらめ)
分類(大)
水産
分類(小)
海藻製品
主な使用食材
あらめ
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主な伝承地域
隠岐地域
食品概要(特徴・種類)
島根半島から40~80km沖、日本海に浮かぶ隠岐諸島の周辺は、複雑な海流と日本海の荒波、島々の入り組んだ地形のおかげで豊かな水産資源に恵まれ、昔から多種多様な海藻類が収穫できた。水深0~10mではナラサモやイソモクといったホンダワラ類や海藻のエビアマモなどの藻場が形成され、水深10~20mではクロメ、ノコギリモクなどが生息する。隠岐島の特産物のあらめは、水深2~3mの浅い場所や港付近に生える。デコボコとした荒い表面が名前の由来と言われている。わかめとも昆布とも異なる独特の歯応えがあり、ひと噛みするたびに潮の風味が口の中に広がり、昔から島民の間ではミネラル分や食物繊維を多く含んだ海の恵みとして親しまれてきた。春頃になると、どこの家庭でもあらめを使った料理が食卓に並び、中でも隠岐あらめの炒め煮は地元の人々に広く食されている。
歴史・文化、関連行事
明治時代は米と麦を主食としており、それに合う豊富な海藻類が好んで食されていた。比較的、浅瀬に生息するあらめは採りやすく、食用として多用されていたと思われる。
現在でも隠岐に伝わる伝統漁法「かなぎ漁」によってあらめの収穫が行われており、最盛期になると、漁師が木枠にガラスをはめ込んだ「箱めがね」を装着して、船上から長いカマで海中のあらめを刈り取る姿がよく見られる。
製造方法
2月以降、春にかけて新芽を刈り取って乾燥保存されるため、現在は1年を通して食べることができる。収穫したあらめは、まずは天日干しにした後、海水に漬けて渋抜きをする。さらに火にかけて炊き上げ、最後に再び乾燥させる。乾燥した隠岐あらめはたっぷりの水に2時間さらしてから、様々な料理に使用する。近年では、数十分で水戻しできる市販の隠岐あらめも出てきている。
保護・継承の取り組み
今でも一般家庭で日常的に食されている。隠岐島内の小学校では給食の献立として提供される他、地域のサロンや男性向けの料理教室などでも食材として取り入れられている。また、地元の食生活改善推進協議会が学校で調理実習を行い、郷土食としての普及を進めている。近年、収穫量は減少傾向にあるが、あらめ漁の様子は隠岐島の風物詩として根付いている。
主な食べ方
地元では採れたての生の状態で料理されることもあるが、広くは乾燥した袋詰めのものを使う場合が多い。乾燥したあらめを再び水にさらすと艶々と黒光りした生の状態に戻るので、食べやすい大きさに刻んでにんじんや油揚げなどと一緒に炒め、仕上げに出汁で煮しめたら隠岐あらめの炒め煮が完成する。あらめは火が通りやすいため煮過ぎないように注意する。油で炒めることで繊維が柔らかくなり、旨味も増す。
隠岐あらめの炒め煮以外にも、炊き込みご飯、サラダ、かき揚げ、白和えなど、家庭ではさまざまな食べ方で日常的に愛用されている。