大野醤油(おおのしょうゆ)
石川県大野醤油(おおのしょうゆ)
分類(大)
農産
分類(小)
醤油、味噌、その他調味料
主な使用食材
大豆、小麦、食塩、海洋深層水、種麹、アミノ酸液
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主な伝承地域
金沢市
食品概要(特徴・種類)
大野醤油は、加賀料理に欠かせないうまくち醤油であり、ほど良い甘さとまろやかさを持ち合わせているのが特徴。色は濃口醤油の中でも比較的に淡く、コクを加えながらも素材の持ち味を引き立たせる役割を担ってきた。魚や野菜の煮物やラーメン、刺身などの料理に用いられる。
歴史・文化、関連行事
元和年間(1615~1624年)に、大野の町人・直江屋伊兵衛が加賀藩三代藩主・前田利常の命により紀州湯浅の醤油醸造法を学び、広めたことが始まりである。城下町金沢は全国屈指の大都市であったこと、日本海沿岸の要港だった大野港は北前船の寄港地で麦や大豆、能登の塩などの原材料が手に入りやすく輸送ルートにも恵まれていたこと、白山の豊富な伏流水や湿潤な気候に恵まれた土地であったこと、さらに加賀藩の支援を受けたことで加賀藩の特産の一つになるまでに発展した。のちに前田家は参勤交代を利用して全国に大野醤油を宣伝したとも伝わる。全盛期には60軒以上の醤油醸造業者があり、野田、銚子、龍野、小豆島とともに、醤油の五大名産地の一つに数えられているほどだった。このように、加賀百万石の食文化とともに育まれてきた醤油である。
製造方法
まず、代々受け継がれてきた麹菌を用いて種麹を製造する。次に炒って砕いた小麦と蒸した大豆を混ぜ、そこへ種麹を加える。麹室で約43時間かけて麹をつくる。この麹に冷却した食塩水を加え、約6か月間寝かせ発酵・熟成させる。この時の麹に食塩水を加えたものを醪(もろみ)と言う。良質な水と塩を加えることで、さらに旨味が増すと言われる。発酵過程では微生物が働きやすい環境づくりが重要なため、しっかりと温度管理を行うことが肝となる。そして、熟成した醪(もろみ)を丁寧にゆっくり搾ると生醤油ができる。さらに生醤油を休ませる間、ろ過をしっかり行う。最後に火加減を調整しながら熱を加え、色や味、香りを整え、完成する。
保護・継承の取り組み
金沢市大野にある醸造所の本店では、発酵食文化を世に広めるべく、無料のガイド付きツアーや体験プログラムなど楽しめるスポットを展開している。他にも、木桶醸造をはじめとする江戸時代から続く伝統的な製法を現在に継承する醤油醸造業もある。
主な食べ方
日本海でとれる新鮮な魚介類と相性が良く、刺身や煮魚、醤油漬けに用いられる。山海の幸を組み合わせた加賀料理や冷奴、煮物、茶碗蒸しといった、多様な料理の縁の下の力持ちとして重宝されている。
アレンジレシピ:大野醤油の卵かけごはん
材料
大野醤油
小さじ1
ごはん
360g
卵
2個
万能ねぎ(小口切り)
適量
作り方
器にごはんを盛り、真ん中に卵をのせて、万能ねぎ、大野醤油をかける。