大山の粕漬(おおやまのかすづけ)
発酵食品
山形県大山の粕漬(おおやまのかすづけ)
分類(大)
農産
分類(小)
漬物
主な使用食材
山形の在来野菜、酒粕、砂糖、食塩
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主な伝承地域
鶴岡市
食品概要(特徴・種類)
良質な水は良質な米を育み、良質な酒を生む。鶴岡市大山地区は、江戸時代から続く酒造りのまち。全盛期には40もの酒蔵が軒を連ね、今も大きな蔵が4軒残る。副産物の酒粕もまた美味なる粕漬の材料となり、それらは親しみを込めて「大山の粕漬」と呼ばれている。
大山の粕は甘みとうま味、深みのある味わいが特徴で、代表的な粕漬は山形の在来野菜にこだわり、温海かぶや藤沢かぶ、民田なすなどを漬け込んだもの。庄内浜などで揚がる秋鮭や、新ブランドのおばこサワラなどの魚介を漬け込む水産加工品もある。
また、日本酒由来の酒粕を使うとあって、もちろん日本酒との相性は抜群だが、最近は和と洋の発酵のコラボレーション、蔵王クリームチーズの粕漬などもつくられている。もともとは保存食として重宝された粕漬が、今は発酵の恵み豊かな健康食としても人気を得ている。
歴史・文化、関連行事
幕府直轄地の天領・大山では、江戸時代初期から本格的な酒造りが行われていた。大山はまた酒造りの杜氏のみならず、多種多様な職人の集積地でもあったため、幕末・明治にかけて各種手工業者が密接に連携することで酒造業も発展を遂げ、全国有数の酒どころと呼ばれるまでに成長。当時は大山全体で信頼を得るため、「大山酒」という統一名称で酒造りを行っていたという。
異業種間での連携が生まれるなか、1908(明治41)年創業の漬物屋・本長が酒造の副産物の酒粕で山形の在来野菜を漬けるようになり、手塚林蔵商店(現・手塚商店)などの水産加工業者が主に庄内浜で揚がる魚の加工品の一つとして、やはり粕漬をつくるようになっていった。
製造方法
野菜を使った大山の粕漬:
毎冬届く酒粕を樽に投入し、塊にならないよう細かくばらす。ばらし終わった酒粕は、中に空気が残らないよう念入りに踏み込んでいく。漬種(つけくさ)にあわせて粕床を整え、塩漬けした種を並べて漬ける。以降、徐々に塩分の薄い酒粕へと5回ほど漬け替えを行いながら、当初25%ほどだった塩分を3%ほどに落としていく。
保護・継承の取り組み
野菜の粕漬は、ときどきの旬の野菜のものが通年店頭等で入手でき、魚介の粕漬は、時期は限られるがやはり直売所やスーパー等で入手できる。インターネットで販売されているものもある。
なお、山形の酒づくりは2016(平成28)年に、日本酒分野で全国初の地理的表示制度GI指定を受けている。
主な食べ方
野菜の粕漬はそのまま、魚介の粕漬は焦げないように表面の粕を取り除いてから焼いて食べられる。どちらも熱々のご飯だけでなく、酒も進む。また、野菜の粕漬はクリームチーズを合わせてクラッカーにのせるなど、料理への応用も行われている。
アレンジレシピ:大山の粕漬のおにぎり
材料
大山の粕漬
30g
ごはん
300g
青じそ
2枚
作り方
大山の粕漬は細かく刻む。
ごはん、1の粕漬を合わせておにぎりにし、海苔で巻く。