蓮根パウダー、藕紛(れんこんぱうだー、おうふん)
茨城県蓮根パウダー、藕紛(れんこんぱうだー、おうふん)
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
蓮根
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主な伝承地域
霞ヶ浦周辺
食品概要(特徴・種類)
茨城県は蓮根の一大産地で、生産量全国1位を誇る。中でも日本で2番目に大きい湖である霞ヶ浦周辺は、北に筑波山、南に利根川があり、豊富な水と肥沃な土壌に恵まれていることから、茨城県の蓮根のほとんどを生産している。茨城県産の蓮根は肉厚で繊維質が細かいのが特徴である。近年では大型ハウスの普及や品種の改良が進み、1年を通して上質の蓮根が栽培できる体制が整っている。
そうした蓮根の主成分であるでんぷんを乾燥させ、粉末にしたのが蓮根パウダー(藕粉)である。元々、蓮根には食物繊維やビタミンCが豊富に含まれ中国では漢方薬として使用されていたが、日本でも腸を整えたりコレステロールを下げたりする食材として注目を集めていた。それを粉末にすることで色々な料理に使用できることでさらに消費が拡大していった。
歴史・文化、関連行事
縄文時代から日本でも蓮は自生していたが、現在、食用に使用されるものはインドから仏教伝来とともに中国を経由して渡来した物であり、江戸時代中期から食用蓮根として栽培されるようになった。
元々、霞ヶ浦周辺では盛んに稲作が行われていたが度々水害に見舞われたため、1940年代後半、稲作に代わる作物として水が豊富な土地を生かして蓮根が栽培されるようになった。その後、転作作物として取り入れられたり、ポンプによる「水堀り」が導入されたりすると、一気に作付面積が拡大した。
蓮根パウダー(蓮粉)の歴史は古く、1665年、水戸藩藩主の水戸光圀から招かれた明の儒学者・朱舜水が紹介した中国の麺の中に蓮根を粉状にした藕粉(おうふえん)を練り込んだと伝えられている。現在でも、このいわれに則して、茨城では麺に藕粉を練り込んだ水戸藩ラーメンが作られ、庶民の味として普及している。
製造方法
蓮根は表面を丁寧に水洗いし、皮がついたまま輪切りにし、その後、2~3日天日干しする。水気が無くなり完全に乾燥したら砕いて粉末状にすると完成する。
保護・継承の取り組み
県関係者、市町村、全農茨城県本部、農協等の蓮根生産者組織の代表が中心となって、蓮根の広域銘柄産地の指定と、霞ヶ浦沿岸の蓮根の一元的な計画出荷と販売を目的とした「いばらきれんこん広域銘柄化推進協議会」を発足し、普及拡大活動に取り組んでいる。
また、生産者団体、宿泊業、飲食店、関係団体、行政が一体となって、地産地消の観点から地元の蓮根の消費拡大を目指し、様々なイベントやPR活動に展開している。
主な食べ方
蓮根パウダーそのものは粉末で無味のため、そのまま食すよりも、食材や料理と混ぜて食べるのが一般的である。
お味噌汁などのスープ類やしょうが湯に溶かすと蓮根のでんぷんが溶け出し、少しとろみが出ておいしく仕上がる。ラーメンやうどんなどの麺類のつなぎや、カレー、ハンバーグやチヂミなど片栗粉の代わりに使うことができる。