さばの加工品(さばのかこうひん)
京都府さばの加工品(さばのかこうひん)
分類(大)
水産
分類(小)
その他水産加工品
主な使用食材
さば、塩
※ダウンロード可能な画像を使用する場合は「リンクについて・著作権」をご一読の上、
出典を農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」と明記し、ご利用ください。
なお、画像提供元の記載がある場合は画像提供元も併せてご記載ください。
画像提供元の記載例
【画像提供元の記載がない場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
【画像提供元の記載がある場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
京都府全域
食品概要(特徴・種類)
京都にはさばの加工品が多数あり、「鯖寿司」「鯖のなれ寿司」「へしこ」「丹後のばら寿司」が代表的である。「鯖寿司」は、若狭でとれたさばに塩をしたものを京都まで運んだ塩さばに軽く酢をあてたものを酢飯の上に乗せて成型したもので、ハレの日のごちそうとして知られる。京都の三大祭り(葵祭、祇園祭、時代祭)や各地の秋祭りで食される風習がある。「鯖のなれ寿司」は、丹後地域、京北地域の一部で、主に冬に作られている。ご飯と塩さばを合わせ、笹の葉で挟んで乳酸発酵させたもので、秋のお祭りなどで作られる。「へしこ」は塩漬けしたさばを米糠に長時間漬け込んで熟成させたもので、保存がきくように塩気が強い。「丹後のばら寿司」は、木箱に詰めた酢飯の上に、甘辛く 味付けした「さばのおぼろ」と他の具材を彩りよく散らした寿司で、祭りや親戚が集まる日に作られる。
歴史・文化、関連行事
若狭は、豊富な海産物で朝廷の食を支えてきた「御食国(みけつくに)」であり、平城京から出土した木簡には、若狭から朝廷へ「なれ寿司」が送られていたと思われる記載がある。若狭湾では特にさばが豊富に獲れたが、冷蔵手段がなかった時代、鮮度が落ちやすいさばは頭と内臓を取って塩を振りかけた「塩さば」に加工して運ばれることが多かった。そのため若狭から京都まで海産物などを運んだルートは、通称「鯖街道」と呼ばれる。中でも一番多くの荷物が行き来したのは福井県小浜~熊川~岐阜県朽木~花折峠~京都府大原~出町へ続く「若狭街道」で、若狭から京都の約70km(十八里)距離を一昼夜かけ歩いて運ばれた塩さばは、京都に着く頃には身が締まり、ほどよい塩加減になったという。周辺地域ではこの塩さばを使った料理がいくつも生まれたが、それらは貴重なものとして祭りや親族が集まる機会などのハレの日に作られることが多く、現在もその傾向がある。
製造方法
「鯖寿司」は、塩さばを3枚におろし酢水で洗った後、さばを酢に30分ほど漬ける。その後、酢から取り出したさばの上にすし飯を棒状にして乗せ、巻きすで形を整え、竹の皮に包んで軽く重しを乗せる。翌日、味が馴染んだら完成。さばとすし飯の間に、ガリ(しょうがの甘酢漬け)を挟むこともある。「鯖のなれ寿司」は、酢にくぐらせたさばと握ったご飯を重ね、笹の葉を挟んで数段積み重ねる。最後に重石を乗せ1週間~10日間発酵させる。「へしこ」は、塩さばを米ぬかや粉唐辛子などに漬け込み、半年から1年熟成させる。「丹後のばら寿司」は、「まつぶた」と呼ばれる木の箱に酢飯を敷き詰め、甘辛く炒り煮にしたおぼろ状のさば、しいたけ、錦糸玉子、かまぼこ、紅ショウガなどの具材を彩りよく散らす。おぼろは、以前は焼きさばを使用していたが、現在は主に缶詰が使われている。重石で押さず、柔らかいままヘラで切り分けて食べる。
保護・継承の取り組み
それぞれ、メーカーやお店により製造が続けられている。「丹後のばら寿司」は、学校での食育や食生活改善推進員の料理教室などで紹介されることも多く、現在でも多くの家庭で作られている。
へしこは「へしこバーガー」など新しい食べ方が開発されている。
主な食べ方
鯖寿司はそのまま何も付けずに食べられるが、醤油をつけて食べても良い。鯖のなれ寿司はそのまま食べる。へしこはそのままご飯やお茶漬けに乗せたり、焼いたり、酒の肴としても食される。丹後のばら寿司は切り分けてそのまま食べる。
アレンジレシピ:へしこのカナッペ
材料
へしこ
6切れ
クリームチーズ
適量
大葉
3枚
クラッカー
6枚
作り方
1. クラッカーにクリームチーズを塗り広げ、へしこをのせて大葉を飾る。