酒まんじゅう(さけまんじゅう)
発酵食品
山梨県酒まんじゅう(さけまんじゅう)
分類(大)
その他
分類(小)
菓子類
主な使用食材
小麦粉、白米、米糀、砂糖、塩、小豆
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主な伝承地域
上野原市
食品概要(特徴・種類)
上野原の酒まんじゅうは、この地の粉文化が生んだ郷土食。炊いた米に、米麹と長寿で有名な棡原(ゆずりはら)の水を合わせて発酵させる酒種づくりから行われ、地元産の小麦粉を使う生地にその酒種を練り込み、あんを包んで蒸し上げられる。老舗では毎日つくる新しい酒種を、代々受け継がれてきた酒種につぎ足して使っている。
ほのかな酒の香りと、ほんのり甘い生地の素朴な味わいは今も人々に愛され続けている。具には地物の小豆のあんだけでなく、おかかの入った甘味噌や高菜、鮭などもあり、店によってさまざまである。
歴史・文化、関連行事
上野原市の酒まんじゅうの元祖とされるのは、1887(明治20)年頃の創業という永井酒饅頭店。旧上野原宿周辺に当たる甲州街道沿いにあるその店は、静岡県御殿場から移り住んだ夫婦によって創業された。上野原の小麦文化に御殿場の酒造りの技術をかけ合わせ、独自製法の酒まんじゅうを生み出したと言われている。
上野原はかつて甲斐絹(かいき)の里として市が立ち、江戸と甲州の商人でにぎわっていたという。酒まんじゅうは行き交う商人たちに愛され、広く伝えられたとされる。
小麦栽培が盛んだったこの地域では、酒まんじゅうが祭りや祝い事などに必ず出され、食べ継がれてきた。
製造方法
まずは酒種づくりとして、炊いた温かいご飯に米麹をほぐし入れ、水とともに混ぜる。甘酒発酵よりも低い約35℃の温度で2~3時間置くと、甘い麹と酒の芳香が立ってくる。そのどぶろく状のものを濾して液状にした酒種に地粉を加え、程よくこねて酒まんじゅうの生地をつくる。設定温度の生地に濡れ布巾をかけて1時間ほど寝かせ、発酵してぶつぶつと穴が開いてきたらガス抜きをし、再度こねて直径3cmぐらいの大きさで小分けにする。小豆あんなどの具を中央にのせて成型し、二次発酵の後、約15分、強火で蒸す。
保護・継承の取り組み
上野原市食生活改善推進員会によって郷土料理を次世代へ伝える活動が行われており、郷土料理講習会で酒まんじゅう教室が開催されるなど、市民レベルの地道な取り組みが広まっている。
また、まんじゅう店それぞれに、あんの種類を増やすなどの新商品開発が行われている。
主な食べ方
自然の発酵の力をいかした製法のため、生地は時間が経つと硬くなるので、基本的には購入後できるだけ早く、そのまま食べる。硬くなってしまった酒まんじゅうを蒸して柔らかさを再生させる方法もあるが、衣をつけて揚げ、サクサク食感の揚げ饅頭にして食べられることもある。