三年子らっきょの漬物(さんねんごらっきょのつけもの)
発酵食品
福井県三年子らっきょの漬物(さんねんごらっきょのつけもの)
分類(大)
農産
分類(小)
漬物
主な使用食材
三年子らっきょう
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主な伝承地域
三里浜の砂丘(坂井市、福井市)
食品概要(特徴・種類)
普通、らっきょうは8~9月頃に植え付けをして、翌年の5~6月に収穫される。坂井市三国町の三里浜砂丘地で栽培されているらっきょうは、全国でも唯一、植え付けから収穫まで足かけ3年かけて栽培されているため「三年子らっきょう」と呼ばれている。収穫は6~7月が旬である。
らっきょうは最初の1年で6~9粒に増え、さらに丸2年育てる「三年子」栽培では、40~60粒に増える。また、年月が経つにつれ、小粒で繊維が細かく、身質も締まり、歯ごたえも良くなる。収穫されたらっきょうの多くは、塩漬けや甘酢漬けにされ、「花らっきょう」というブランド名で全国に出荷されている。
歴史・文化、関連行事
三年子らっきょうは、明治初期に自家用として栽培されたのが始まりとされる。三国町の海岸沿いに広がる砂丘は、砂の粒が細かく粘土質の土壌が多いことから、三年子らっきょうの栽培に適していたと考えられる。
らっきょうはユリ科に属し、植え付けた年の秋には薄紫の花を咲かせる。2年目の10月下旬~11月上旬(植え付け翌年の秋)には赤紫色の花が圃場(ほじょう)一面に咲き、三里浜の秋の風物詩として観光資源にもなり、県内外から観光客が訪れる。
製造方法
三年子らっきょうは、収穫してすぐに根と茎を手作業で丁寧に切り分け、塩水で塩漬けにする。そのまま1か月ほど置き、乳酸発酵させる。その後、熱湯にくぐらせて氷水でしめ、砂糖と酢を合わせた甘酢と輪切りの唐辛子で1週間ほど漬けて完成する。
保護・継承の取り組み
スーパーや土産物店で購入できる。また、らっきょうにはビタミンB1の吸収を助ける働きがあるほか、水溶性の食物繊維フルクタンを多く含んでいる。らっきょうの持つ機能性に注目した県内の食品加工会社、大学、農業協同組合では、産学官の共同研究を行い、らっきょうの成分を練り込んだパスタや食パンの開発を行った。
主な食べ方
漬物としてそのまま食べるのが一般的だが、らっきょうは火を通すことで特有の臭いが消え、甘味が出ることから、県内には天ぷらにしたメニューを提供する飲食店もある。
アレンジレシピ:三年子らっきょうのいなり寿司(4人分)
材料
らっきょうの甘酢漬け らっきょう:160g、らっきょうの漬け汁 100~120g
米
2合(約20個分)
塩
少々
黒ごま
適量
いなり揚げ(正方形)
10枚
だし汁(かつおとこんぶ)
250ml
合わせ調味料 砂糖:50g、こいくちしょうゆ:大さじ3
作り方
らっきょうの甘酢漬けをらっきょうと漬け汁に分け、らっきょうをみじん切りにする。
炊きあがったご飯を飯台に移し、らっきょうのつけ汁と塩をかけてよく混ぜ、すし飯を作る。
らっきょうのみじん切りをすし飯に混ぜる。
3に黒ごまを加えて軽く混ぜる。
いなり揚げは、油抜きにして二つに切り、合わせ調味料を加えただし汁で煮る。
煮あがった5に4を詰めて出来上がり。