山菜の佃煮(さんさいのつくだに)
京都府山菜の佃煮(さんさいのつくだに)
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
山菜、昆布、しょう油
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主な伝承地域
南丹地域、京都市
食品概要(特徴・種類)
京都市は周囲を山に囲まれた盆地であり、山菜が豊富である。山菜の佃煮は、里山でとれるそれらの山菜をしょうゆなどで煮て佃煮にしたもの。特に京都市郊外の鞍馬周辺は古くから山椒が豊富であったため、山椒の葉使った佃煮は「鞍馬煮」または「木の芽煮」とも呼ばれており特に有名である。サンショウの葉が出回る4~5月初旬頃に作られる。
他にも「キゴショウ」「葉とうがらし」と言われる唐辛子の葉や、「虎杖(イタドリ)」などの佃煮もよく食されている。葉とうがらしは辛みのない伏見とうがらしが使われることが多いが、ほかの唐辛子を利用することもある。味は、唐辛子のほのかな風味と独特の苦みが特徴。イタドリはふきに似た食材で酸味が少しあるが、煮るとほとんど気にならない。昔は山間部でよく食されていたものの近年は食べる人が減っている。最近になり広河原地域で地域おこしのために「イタドリの山椒煮」を改めて広めようという試みがなされている。
どの山菜も収穫してすぐ使うこともあるが、塩漬けにしておいて利用することも多い。
歴史・文化、関連行事
京都で山菜が多く食されるようになったのには、豊かな里山で山菜が自生していたこと、また山中を歩き回り食べられる植物に詳しい修験者たちがそのうち里で修行するようになったことが、多くの人に山菜食が広まるきっかけになったといわれている。
サンショウについて述べると、その歴史は古く、平安時代には薬として活用され、室町時代以降は香辛料として使用されていた。鞍馬周辺の山椒を使った「木の芽煮」は、昔から鞍馬の家庭で日持ちする保存食として作られていた。この木の芽煮には昆布が入っているが、鞍馬は福井県の若狭からサバを塩漬けにして山を越えて京都へ運ぶ「鯖街道」の通り道であったため、そのサバと共に昆布も入手できる環境であった。
製造方法
代表的なものとして山椒の葉の木の芽煮について述べる。山椒の葉は4~5月に収穫したてのものでも、塩漬けにしておいたものでも良い。塩漬けにしておいたものは水に浸して塩抜きをし、煮た昆布としょうゆなどで味付けしてじっくり弱火で煮る。冷めたら山椒の葉や昆布を刻み、大きさを揃える。
保護・継承の取り組み
いくつかの製造会社により様々な種類の佃煮が作られて販売されている。山菜が出荷され店に出回る季節になると自分で作る家庭もあり、各家庭の味が楽しまれている。
主な食べ方
ご飯のお供にしたり、おにぎりの具やお茶漬けにしたり、うどんやそうめん、冷奴の薬味などに使われる。