笹巻き、ちまき(ささまき、ちまき)
島根県笹巻き、ちまき(ささまき、ちまき)
分類(大)
農産
分類(小)
穀類
主な使用食材
もち米、笹(クマザサ)、いぐさ
※ダウンロード可能な画像を使用する場合は「リンクについて・著作権」をご一読の上、
出典を農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」と明記し、ご利用ください。
なお、画像提供元の記載がある場合は画像提供元も併せてご記載ください。
画像提供元の記載例
【画像提供元の記載がない場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
【画像提供元の記載がある場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
画像提供元:〇〇〇
画像提供元:島根県
この画像はダウンロードできません
画像提供元:島根県
この画像はダウンロードできません
主な伝承地域
県東部、隠岐地方
食品概要(特徴・種類)
島根県東部には、昔から旧暦の端午の節句(6月5日)に、練った米粉を熊笹の葉で巻いて茹でた笹巻きを食べる習慣がある。また、男の子の成長と健康を祈願するだけでなく、田植えの骨休みや田植えが無事終わった後の祝いの日、農家にとって大切な農作業の節目となる半夏などの行事の時にも食されていた。
東部地域では「ちまき」、隠岐地方では「まき」と、地域によって呼び名が異なる。隠岐地方では笹の葉だけでなく、かやの葉を用いることも多く、これを「かやまき」と呼ぶ。
島根県東部では季節の楽しい行事として自宅で笹巻きを作る家庭が多い。地域や家庭によってもち米の配合、加える水の量、こねる時間、笹の巻き方や結び方は様々で、島根ならではの伝統食として親しまれている。
歴史・文化、関連行事
笹巻きの起源は古く、3~6世紀の南北朝時代に、中国から端午の節句の供物として伝わったと言われている。
従来は5月5日に行われる行事だが、地域によっては忙しい田植えの時期と重なるため、一か月遅れの6月5日に催されることもある。
島根県東部では、月遅れの端午の節句に男の子の健やかな成長を願い、鯉のぼりや鎧兜を飾り、笹巻きをお供えした風習が今でも続いている。また、地域によっては笹巻きに菖蒲やよもぎを添えて束ねるなど様々な工夫や技巧を凝らす文化があり、この時期に遠く離れた親族に贈るために笹巻き作りを行う家も多い。
製造方法
もち米とうるち米を混ぜた「まきの粉」を水またはぬるま湯でこねて、円錐形のような団子を作り、笹の串を刺し、笹の新葉で包む。それを3~4枚の笹で包み込むように巻いて、いぐさで解けないようにしっかりと巻いた後、10本ずつ串をまとめて縛り、たっぷりの熱湯で15分程度茹でて完成する。この巻き方は「本巻き」と呼ばれ、昔から受け継がれてきたものである。なお、島根の笹巻きはクマザサの葉を使うのが一般的。
余った分は軒下に吊るして乾燥させ、冷蔵庫で保存することができる。一度に多く作っておいて、忙しい時期の間食や子どものおやつとしてもよく食されていた。
保存した笹巻きを食べるときは、再び熱湯で茹でると作りたてのように味わうことができる。
保護・継承の取り組み
今でも、端午の節句の時期になると、街中の食品スーパーでは笹の葉といぐさが販売され、各家庭でも盛んに笹巻き作りが行われている。
また、地域の食文化や季節の味を伝えるため、地元の食生活改善推進協議会が学校の子ども達に作り方を教えたり、雲南市の学校給食センターでは笹巻きを行事食として給食に提供したり、地元のJAが作り方のレシピを発信するなどしている。
主な食べ方
食べるときは、いぐさを解かず、笹の葉を開いて串を持ち、団子に砂糖醤油、きな粉、はちみつ醤油などを付けて食べる。