仙台味噌(せんだいみそ)
発酵食品
宮城県仙台味噌(せんだいみそ)
分類(大)
農産
分類(小)
醤油、味噌、その他調味料
主な使用食材
大豆、米麹、塩
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主な伝承地域
県全域
食品概要(特徴・種類)
宮城県はもともと国内有数の大豆生産地域で、昔から仙台味噌の他にも、凍り豆腐、納豆、ずんだなど、独自の大豆食文化が育まれてきた。中でも戦国時代の重要な兵糧として仙台味噌は進化を遂げ、全国から注目を集めた。
味噌は使う麹によって米、麦、豆の3種類に分類されるが、仙台味噌は米味噌の一つで、大豆の比率が他に比べて高く、濃い山吹色で光沢があり、塩なれした旨味と香りが特徴。昔ながらの伝統的な製造法と宮城の気候風土が醸す、大豆の旨味が生きたすっきりとした味わいを好む人は多い。また、仙台味噌は主原料の大豆の持つ良質なたんぱく質を多く含むだけでなく、発酵によりアミノ酸やビタミンが生成されるため、栄養的に優れた食品である。
歴史・文化、関連行事
豊臣秀吉の朝鮮出兵に際し、朝鮮に出兵した伊達政宗が持参した味噌が他藩のものより傷みにくかったため諸大名の間で評判となった。その後、伊達政宗が仙台藩を開くと、城下に軍用の味噌の自給を目的とした味噌工場「御塩噌蔵(ごえんそぐら)」を建設し、城下の商人に製造と運営を任せたのが仙台味噌の始まりと言われている。その後、17世紀半ば、江戸に常駐する藩士のために、大井にあった仙台藩下屋敷でも「御塩噌蔵」と同じ製法で味噌の醸造を行い、余剰生産分を江戸の味噌問屋が買い請けて販売したため、仙台味噌の名前は江戸中に広まっていった。
製造方法
仙台味噌は米麹を使った米味噌で、辛口の赤味噌である。江戸時代から藩によって保護され、商業発展とともに城下の味噌屋たちが協同組合を結成し、品質と価格の安定に努めてきた。同組合では「味噌屋仲間掟留帳」を定め、生産から販売、雇用関係に至るまで厳しい掟を決めて仙台味噌の伝統を守り続けてきた。
保護・継承の取り組み
現代においても、当時の意志を受け継ぎ、宮城県味噌醤油工業協同組合が中心となって仙台味噌の品質向上とブランドとしての統一化が図られ、2007年には地域団体商標として登録を得ることができた。
また、かつて味噌や醤油などが製造され、大豆文化が盛んだった富谷市では、若い世代に向けて、宮城の食の歴史と文化を保護・継承することを目的に「宮城の大豆食文化」保護・継承プロジェクトを立ち上げ、シンポジウムやワークシッョプなどを展開し、仙台味噌の魅力を発信している。
主な食べ方
仙台味噌は熟成期間が長いため少量でも味が良く、素材な味わいを引き立てると言われており、個性の強い具材とも相性が良い。
そのため、県内には仙台味噌を使用した独自の郷土料理も多く、特に「ばっけ味噌」と「しそ巻き」は地元の味として親しまれている。
「ばっけ」とは東北地方の方言で「ふきのとう」のこと。粗く刻んだふきのとうとすり下ろしたくるみに仙台味噌、砂糖、酒を加え、弱火で練ったもので、温かいご飯や豆腐にのせて食べる。ふきのとうの独特の苦味が春の到来を知らせる一品として人気が高い。また、「しそ巻き」は、仙台味噌にごまやくるみを入れて練ったものを青しそで巻いて揚げたもの。始まりは、伊達政宗の時代に温泉地の鳴子を訪れた湯治客のために作られたものと言われており、ご飯のおかずやお茶請け、子どものおやつなどとして広まった。
アレンジレシピ:仙台味噌の焼きおにぎり
材料
仙台みそ
大さじ3
ごはん
500g
みりん
大さじ1
ごま油
小さじ1
南天
適量
作り方
ごはんは丸いおにぎりにする。
みそ、みりん、ごま油は混ぜ合わせて、①のおにぎりに塗り広げて、トースターで焼き色がつくまで焼く。
器に盛り、南天を飾る。