時雨蛤(しぐれはまぐり)
三重県時雨蛤(しぐれはまぐり)
分類(大)
水産
分類(小)
調味加工品
主な使用食材
蛤、溜まり醤油、生姜
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主な伝承地域
桑名市
食品概要(特徴・種類)
三重県の北部に位置する桑名市は、伊勢神宮の「一の鳥居」が設置されるなど、伊勢国の東の玄関口として栄えた宿場町としての歴史を持つ。桑名の浜から沖合にかけては、木曽三川の淡水と海水がほどよく混ざり合い、貝やのり・白魚などが豊富に採れた。特に蛤は「浜の栗」と呼ばれるほど色合いや艶が良く、ふっくらとした大きな身で、江戸時代から名物として知られていた。
時雨蛤は、蛤の中でも産卵前の大きなものを選び、特製のたまり醤油で刻んだ生姜とともに煮しめた桑名市の名物で、「煮蛤」または単に「しぐれ」とも呼ばれる。特製のたまりは、蛤のエキスが染み込んだ元汁に原料を継ぎ足して作られ、製造販売店ごとに代々受け継がれている。
歴史・文化、関連行事
時雨蛤の歴史は古く、豊臣秀吉の時代には、すでに桑名の貝屋の間で煮しめた蛤が保存食として食されていたとされる。
その名の由来には諸説あるが、10月頃、秋から冬にかけて降る「時雨」の時期に製造するものがおいしいという理由で、松尾芭蕉の高弟である俳人の各務支考によって命名されたという説が伝わる。今日では、しょうがを加えた佃煮のことを「時雨煮」と呼ぶようになった。
現在、桑名市内には、天正年間(1573年頃)に創業された「総本家新之助貝新」をはじめ、時雨蛤を製造販売する会社が複数存在し、時雨蛤の伝統と味を継承し続けている。
製造方法
特製の溜まり醤油にしょうがを入れ、直径1m程の大鍋の中で沸騰させて煮る。一般的には、蛤は貝殻のまま一緒に茹でることで、貝殻から鶏の骨のような味が溶け出すとされる。この元汁は新しい調味料を加えながら代々受け継がれるものである。貝殻ごと茹でた蛤はざるに上げ、剥き身にし、元汁の溜まり汁で長時間かけて煮る。新之助貝新など老舗では、剥き身の状態にして大鍋で浮かせて煮立てる「浮かせ煮」という技法を継承している。たれが無くなるまで煮るよりも、蛤の食感を活かした仕上がりになるという。近年では、低温で柔らかく煮詰めた若炊きや、減塩タイプなど、時代のニーズを取り入れながら商品開発が行われている。
保護・継承の取り組み
戦後に行われた埋め立てや堤防建設などの開発により、蛤の水揚げは減少したが、地元の漁協では、漁獲サイズ、漁獲量、出漁日の制限を設け、それを徹底することで資源管理に取り組んでいる。
主な食べ方
ご飯によく合うため、ご飯に乗せるのはもちろん、おにぎりの具やお茶漬けにしてもよい。その食感と味わいを活かしスパゲッティの具材にされるなど、新たな使い方も開発されている。
アレンジレシピ:時雨蛤のまぜごはん
材料
時雨蛤
60g
ごはん
360g
木の芽
適量
作り方
ボウルにごはん時雨はマグロを入れてよく混ぜる。
器に盛り、木の芽を飾る。