紫錦梅、梅びしを(しきんばい、うめびしを)
茨城県紫錦梅、梅びしを(しきんばい、うめびしを)
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
梅、赤しそ、塩
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主な伝承地域
県央地域(水戸市)
食品概要(特徴・種類)
紫錦梅とは、種を除いた梅の実を赤しそ、塩と一緒に漬け込んだ物である。偕楽園を造園した水戸斉昭が、偕楽園の梅を余すことなく使うために製造方法を考案したと言われている。現在も偕楽園の梅を使い、昔ながらの製法で作られている。
歴史・文化、関連行事
水戸藩第九代藩主、水戸斉昭によって1842年に造園された、日本三名園として知られる水戸の偕楽園。「余(斉昭)が衆と楽しみを同じくするの意なり」と、「孟子」の一節「民と偕(とも)に楽しむ」から名付けられた。筑波山、千波湖、城南の景色を一望できるこの場所を庶民も楽しめる場となるようにと、春の訪れを告げ前向きな気持ちにさせてくれる梅の木を数千本も植えたとされる。また、斉昭は、酸味があり喉の渇きと疲れを癒す梅の実を兵糧とし、有事の備えとした。偕楽園は明治維新後に日本初の指定公園の1つとなり、梅の名所として全国に名が知られるようになった。約100品種、3,000本もの梅が咲き誇る2月中旬からは120回以上もの歴史を誇る「水戸の梅まつり」が開催されている。
偕楽園で実った梅のうち、梅干しや梅酒に使用できない、傷があったり見た目が悪かったりする梅も余すことなく活用しようと、斉昭が製造方法を考案したのが 紫錦梅 である。 梅びしお と呼ばれることもある。偕楽園を訪れる観光客のお土産としても人気がある。
製造方法
少し固さの残っている生の梅の実を、木槌などでたたき割って種を除く。梅の重さの約10~15%の塩を振り入れてよく混ぜ、梅の重さの約10%の量の赤しその葉と一緒に漬け込む。赤しその色が梅に移り、塩が馴染んだら食べごろ。イベントなどでは、一度塩漬けにした梅の実から手で種を除き、刻んでしそと漬けるという簡略化した方法で作ることもある。梅の実は6月中旬~下旬に収穫するが、紫錦梅は保存食であり、年間を通して食べられる。
保護・継承の取り組み
梅しごとの一環として家庭で継承されている他、市民団体が偕楽園の梅を使った紫錦梅作りをイベントとして行っている。また、市内の漬物店では昔ながらの製法で製造・販売されている。
主な食べ方
ご飯やおかゆにのせたり、おにぎりの具にしたりするのが定番だが、調味料としてソースやドレッシング、和え物などにも使えて汎用性が高い。夏はたたいたきゅうりに添えたり、そうめんのつゆに加えたりしてもおいしくいただける。