凍み大根(しみだいこん)
宮城県凍み大根(しみだいこん)
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
大根
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画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
県南地域、丸森町筆甫(ひっぽ)地区
食品概要(特徴・種類)
寒さが厳しい東北地方では、古くから野菜や魚を寒風にさらして保存食をつくる習慣があり、凍み大根も各家庭で大事に伝え継がれてきた保存食の一つである。冬の寒さを利用した天然のフリーズドライ製法で、1か月から2か月ほどかけて、じっくり乾燥させていく。天日干しすることでビタミンB群やカリウム、カルシウムなどのミネラル、食物繊維などの栄養価が生の大根よりも高まることが知られている。
歴史・文化、関連行事
へそ大根は、県南の丸森町筆甫(ひっぽ)地区に伝わる凍み大根の一種で、干すために大根に刺した串の穴が「へそ」のように見えることから、へそ大根、もしくはばばべそと呼ばれるようになった。標高300~400mに位置する筆甫地区は、日中の寒暖差が大きく寒い時季が長いため、へそ大根作りにとても適しており、原料となる大根も栽培されている。輪切りの大根が軒先で天日干しされている光景は、筆甫地区の冬の風物詩となっている。以前は、北上丘陵や船形山麓等の山間地域においても作られていた。
製造方法
大根の皮をむいて輪切りにし、ゆでてから真ん中に串やわらを通し、冬の寒さを利用して1か月ほど軒先に干す。夜に凍って昼間に溶けることを繰り返すことで、大根は徐々に縮んでしわしわになり、旨味と栄養が凝縮された保存食となる。翌夏まで保存が可能なので、冬から夏にかけて煮しめなどの料理に使われることが多い。ゆでないで凍らせて作る場合もあるが、ゆでたほうが料理はやわらかくおいしく仕上がる。
保護・継承の取り組み
へそ大根は、今でも家庭で作られる他、地元の直売所やスーパーなどで販売されている。丸森町の筆甫地区ではブランド化してPRに取り組んでおり、へそ大根作りなどの体験メニューも提供している。
主な食べ方
食べる時に、軽く洗いぬるま湯につけ、好みの柔らかさになるまで戻し、凍み豆腐や筍、にんじん、椎茸、昆布などと一緒に煮しめるのが定番の調理法である。へそ大根は、ゆでてから干しているので、火の通りも早く短時間で調理でき、天日による自然乾燥ならではの食感と素材の香りが特徴。戻し汁も煮汁に使うと、大根の風味を一層味わうことができる。近年はスープの具材にしたり、肉を挟んで揚げたりするなどのアレンジレシピも紹介されている。
アレンジレシピ:へそ大根の煮物(4人分)
材料
へそ大根
12個
がんも
4個
さつまあげ
小4本
こんにゃく
1丁
生しいたけ
8個
だし汁
800mL
しょうゆ
35mL
みりん
30mL
作り方
へそ大根はさっと洗いたっぷりの水で戻す。 がんもとさつまあげは熱湯をかけて油抜きをする。 こんにゃくは表面に斜め格子に切り目を入れる。生しいたけはさっと洗い、大きい場合は 2つに切る。
鍋にだし汁、しょうゆ、みりんを入れて煮立て材料を入れて汁けがなくなるまで中火で 静かに煮る。
提供元:高澤 まき子