宍道湖しじみの佃煮(しんじこしじみのつくだに)
島根県宍道湖しじみの佃煮(しんじこしじみのつくだに)
分類(大)
水産
分類(小)
その他水産加工品
主な使用食材
しじみ
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主な伝承地域
松江市(宍道湖)
食品概要(特徴・種類)
東は大橋川を通って日本海からの海水が、西は斐伊川を通って出雲平野からの淡水が入り込む汽水湖として全国で7番目の大きさを誇る宍道湖。その宍道湖で獲れる代表的な食材は、昔から「宍道湖七珍(すずき、うなぎ、もろげえび、わかさぎ/あまさぎ、こい、しらうお、しじみ)」として広く食されてきた。その中でも宍道湖で獲れる水産量の90%以上を占めるのが大和しじみで、全国のしじみの約40%を占め、日本一の水産量を誇る(令和4年度統計)。宍道湖の大和しじみは貝殻の色が黒く、大粒で濃厚な旨味が特徴。これは海水と淡水が混じり合う宍道湖で、絶えず変化する水の塩分濃度に適応するためにしじみが内臓を発達させることで、その旨味成分であるコハク酸が増すためである。
通年漁獲されているが、特に産卵のために身が肥えた7月前後の土用しじみと1~3月の冬季に漁獲される寒しじみがおいしいとされている。
身が大きく旨味が濃いことから色々な食べ方に適しており、昔からしじみ汁以外にも保存食として重宝されるつくだ煮が広く食されてきた。
歴史・文化、関連行事
戦後しばらくはしじみの価格が低かったため、しじみ漁師も少なく、また当時の漁場のほとんどが水草に覆われており、宍道湖のしじみ漁は現在のように盛んではなかった。1950年代後半に入り、徐々に宍道湖のしじみが評価され始めた頃、利根川などの主要産地で干拓や水門設置により全国的にしじみの漁獲が激減したため、宍道湖のしじみ漁が注目されるようになった。
1970年代後半、宍道湖でも淡水化事業の計画が持ち上がったが、宍道湖の漁師や流域住民の反対活動で1988年に計画は正式に凍結された。こうした活動は、計画凍結後も宍道湖の環境を守るための様々な活動や漁業規制へと受け継がれていき、宍道湖の大和しじみは徐々に全国ブランドとして評価され始めていった。
ひと昔前は、しじみを積んだ箱を乗せたリヤカーを女性が引いて、街中を売り歩く光景がよく見られたという。
製造方法
元々は漁獲された大和しじみの保存食として広まっていった。他の地域のしじみと比べて粒が大きいこともつくだ煮には適していた。作り方は、大和しじみを一粒一粒丁寧に手剥きし、醤油、生姜、砂糖や水飴などで煮付けるシンプルなもので、家庭でも簡単に作ることができる。今では、生姜以外にも山椒、柚子、地酒など味付けに変化をつけるなど幅広い味わいが楽しまれている。
保護・継承の取り組み
宍道湖漁業協同組合に所属する約270名のしじみ漁師を中心に、収穫は週3日間、採捕量は1日約90kgまで、季節や漁獲方法によって定められた操業時間など厳格なルールを定めてしじみの資源保護に努めている。また、宍道湖清掃活動や湖底清掃作業、水草除去作業など宍道湖の環境保全活動や生態系維持事業にも取り組んでいる。
宍道湖のほとりにある展示館「宍道湖しじみ館」では、しじみの生態やしじみ漁を紹介する資料を展示するなど、訪れた人たちへの啓蒙活動に努めている。
主な食べ方
ご飯のお供やおにぎりの具として、また、お酒のつまみとして食するのが一般的。
宍道湖のしじみは全国的に有名であり、観光客のお土産にも最適である。生や冷凍のしじみは、運搬方法や日持ちに制限があることから、しじみのつくだ煮を購入する人も多い。
アレンジレシピ:宍道湖しじみの佃煮を使ったおにぎり
材料
宍道湖しじみのつくだ煮
大さじ3
ごはん
400g
しょうが
5g
焼き海苔
適量
作り方
ボウルにごはん、しじみの佃煮、しょうがを入れて混ぜる。
俵型のおにぎりにし、海苔で巻く。