白石温麺(しろいしうーめん)
宮城県白石温麺(しろいしうーめん)
分類(大)
農産
分類(小)
穀類
主な使用食材
小麦粉、塩
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主な伝承地域
県内全域(白石市)
食品概要(特徴・種類)
白石温麺(しろいしうーめん)は400年以上前から白石市周辺で作られている地場特産品であり、全国乾麺協同組合連合会の産地指定も受けている。素麺の一種ではあるが、製造の際に油を使わないのが特徴。油を使わないため胃に優しく消化によいとされる。素麺と比べると長さが9cmと短く、太さも0.3mmほど太い。温かい麺と書いて「温麺(うーめん)」という名称だが、冷やして食べてもよい。
歴史・文化、関連行事
今から400年ほど前の江戸時代初期、白石城下に住んでいた鈴木浅右衛門(のちに味右衛門(みえもん)を襲名)が、胃を病んで何日も絶食しなければならない父親を心配し、旅の僧から聞いた油を使わない製法で麺を作ったのが起源。麺の短さも、療養食としての食べやすさを配慮したものとされる。温めて父親に出すと、父親は快方に向かったという。その話を聞いた白石城主の片倉小十郎が、浅右衛門の父を想う気持ちを称え、この麺を温麺と名付け、浅右衛門は「味右衛門」と名乗ることを許された。
蔵王連峰を源流とする白石川が流れる白石市は、白石川から水を引いた用水堀が町中に巡らされていた。その流れを利用して水車による精米や製粉が行われており、江戸時代には町内に100カ所以上の水車があったとされる。文久3年(1863年)には温麺が物産額第3位になるなど、その生産が盛んになった背景には、気候が温暖で乾燥した土地であることに加え、この水車や水資源の存在があったと考えられる。
製造方法
小麦粉、塩、水というシンプルな材料で作られる。材料を混ぜてこねた生地をロールで圧延して切り出し、棒にかけて乾燥させる。9cmの長さにカットして完成。機械を使わず、職人一人ひとりの手による手延べの製法も継承されている。
乾麺であるため湿気は大敵。直射日光を避け、常温で湿気のない場所で保管する。一束ずつ紙で巻いてあるのも湿気を取り除くためである。
保護・継承の取り組み
白石市では「奥州白石温麺振興条例」で毎月7日を「白石温麺の日」とし、消費拡大に努めている。また、市内の保育園や幼稚園、イベントなどで親しまれている「白石うーめん体操」もあり、市の動画チャンネルで子どもたちなどが踊る様子が公開されている。
白石商工会議所は、温麺、和紙、葛の「白石三白(しろいしさんぱく)」を新たな地域ブランドとして創出するプロジェクトに取り組んでおり、商品開発や情報発信を行っている。
主な食べ方
たっぷりのお湯で3分ほどゆで、ざるに移して冷水でぬめりを落とし、しっかり水気を切る。素麺などと同じ醤油ベースのつゆの他、ごまだれやくるみだれでも食される。
また、宮城県南部を中心にお彼岸やお盆に供される「おくずかけ」にも白石温麺が使われる。おくずかけとは野菜や豆腐、油揚げ、豆麩などを出し汁(しいたけの戻し汁)で煮込み、白石温麺を加えてくず粉や片栗粉でとろみをつけた郷土料理である。
伝統的な食べ方に加え、冷やしてサラダに仕立てたり、焼きそば風に炒めたりといったアレンジも楽しまれている。
アレンジレシピ:鶏肉としめじの温麺(汁)(2人前)
材料
白石温麺
2束
鶏もも肉
100g
しめじ
1パック
長ねぎ
1/4本
おろし生姜
1片分
A だし汁:800mL 醤油:大さじ1と1/2 塩:小さじ1/2 みりん:大さじ2 酒:大さじ1
B 片栗粉:小さじ2 水:小さじ2
作り方
鶏肉はひと口大、しめじはほぐす、長ねぎは斜め薄切りにする。
Aを温め、1の鶏肉を加えて煮て火が通ったら、しめじを加えてさっと煮て、沸騰したらBの水溶き片栗粉をかき混ぜながら加える。
湯を沸かし、白石温麺を入れて、パッケージ通りに茹でて、湯切りして器に麺を入れる。
3の麺に2をかけ、おろし生姜をのせる。