
すだれ麩(すだれぶ)

茨城県すだれ麩(すだれぶ)
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
小麦粉
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主な伝承地域
県西地域(結城市)
食品概要(特徴・種類)
古くから農耕が盛んだった県西地域において、精進料理に使われた食材の1つ。江戸時代後期にはすでに 食されており、製造に手間暇がかかることから、冠婚葬祭など特別な席の料理に使われる高級食材だった。最近はお盆など家族や親族が集まる場でも食べられている。製造過程で塩を加えていることからグルテンの強度が増しており、しっかりとした歯ごたえ があるのが特徴。 すだれ麩 自体の味は淡白で、植物性タンパク質が豊富。様々 な食品の代替品として、多種多様な料理への利用が可能である。
歴史・文化、関連行事
結城市がある県西地域は、1年を通じて晴天の日が多く、近くを流れる利根川や鬼怒川の恩恵もあって、古くから農業が盛ん。米や麦、大豆、そばなど様々な穀物が作られてきた。市内北部は城下町として栄え、寺院なども多く、すだれ麩は精進料理に使われていた。小麦の保存も兼ねて作られたとされ、江戸時代後期にはすでに食べられていたという記録も残っている。
石川県にもすだれ麩はあるが、これはグルテンに米粉を加えて茹でた生麩や、それを干した物である。一方、結城市のすだれ麩は、グルテンに小麦粉を加えて練った物であり、茹でる前に大量の塩をまぶしてから茹で、乾燥させることでより高い保存性を実現している。結城市でも生産量は限られたものであり、ほぼ結城市のみで消費されている。
製造方法
小麦粉から取り出したグルテンに、再び小麦粉を加えてよく練り、薄くのばす。全体に塩をまぶして茹でた後、竹で作られたすだれに広げて天日干しする。この時に麩の表面に波のような凹凸がつき飴色に仕上がる。薄力粉と強力粉の割合や水の量を気温や小麦粉の状態によって加減しながら、全て手作業で製造するため、完成まで1週間ほどを要する。
保護・継承の取り組み
学校給食などでも提供され、子供たちが親しみやすいようにサラダや煮物、汁物、ピザの生地にするなど様々なアレンジをすることで、すだれ麩とそのおいしさの啓蒙を行っている。また、もっと手軽に利用してもらうために、結城市の食生活改善推進員によって考案された創作料理のレシピ集も作られた。
主な食べ方
保存のために塩で煮固めていることから、4~5時間から一晩ほど水に浸けて塩抜きしてから調理する。昔から、ごま酢和えにして食べられてきた。きゅうりを一緒に和えたり、祝い事の際には紅しょうがを添えたりすることもある。現在では、すだれ麩のぎんあんかけやラザニアなど、精進料理の枠を超えて幅広い料理に活用されている。