たちかま
北海道たちかま
分類(大)
水産
分類(小)
練り物
主な使用食材
真鱈白子、塩
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出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
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主な伝承地域
岩内町や道北(稚内)など沿岸部を中心とした複数の地域
食品概要(特徴・種類)
たちかまとは、新鮮なすけとうだらの白子を使ったかまぼこである。すけとうだらの水揚げは例年11~2月に行われるが、漁の期間が短いうえに、気温が下がり風も強くなる季節は時化(しけ)で漁ができないこともある。そのため、たちかまは大量生産ができず「幻のかまぼこ」とも言われる。たちかまは、ふわっとした弾力のある食感と、白子のクリーミーで濃厚な風味が特徴で、食事の具材としても酒の肴としても親しまれている。
歴史・文化、関連行事
日本におけるすけとうだらの延縄(はえなわ)漁獲の発祥は、新潟県の佐渡とされる。1883年、川崎船を用いてすけとうだらの漁獲を始めたという。その後、北海道では1899年に江差町にて、すけとうだらの漁獲が始まり、道内に広がった。盛んなニシン漁もいつか衰退するかもしれないと不安に感じた岩内町の増田庄吉翁が、1902年に佐渡に直接出向いてすけとうだら延縄漁業を習得し、翌年、岩内前浜にて北海道で初めての試験操業を実施した。昭和時代には漁獲量が急増し、岩内町が全国一のすけとうだらの加工地になる。すけとうだらのかまぼこは漁師料理として一般家庭でつくられ、地元で愛されるようになった。その後、1950年に「尾崎商店」が初めてたちかまとして商品化し、今もなお北海道の冬の郷土食として好まれている。
製造方法
原材料の白子は鮮度が命という。そのため、水揚げから24時間以内に加工をはじめる。選別した白子を熱湯で茹で、白子が温かいうちに裏ごしする。裏ごししたすり身から不純物を除き、なめらかな液体状にして、練り上げる。その際、少し食感を加えるためにデンプンを加え、塩を入れて味を付ける。出来上がったすり身を丸めて、窯で茹でる。茹で上がったものを水に移し、氷でしめて完成となる。
保護・継承の取り組み
現在たちかまを生産している企業は5~6社ほどで、毎年11~2月の期間、道内のスーパーマーケットの店頭に並ぶため、手軽に手に入れることができることから、家庭でつくることも多い。北海道のメディアが中心に作り方などの情報発信をしている。
主な食べ方
たちかまをスライスして刺身のようにわさび醤油で食べるなど、そのままの風味と食感を楽しむことができる。その他にも、バター焼きや味噌汁の具、てんぷらとして、火を入れて味わうこともできる。たちかまの塩分が気になる場合、30分ほど水につけて塩抜きしてから食すとよい。