たくわんの煮たの(たくわんのにたの)
福井県たくわんの煮たの(たくわんのにたの)
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
古たくわん、唐辛子、白ごま
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主な伝承地域
福井県内全域、嶺北
食品概要(特徴・種類)
収穫された大根を保存するために、秋から年末にかけて漬けられる「たくわん」は、翌年の夏から秋ごろには古漬けとなり、より酸味が出てくる。それを塩抜きして、だしや醤油、唐辛子などで味付けをしたものが「たくわんの煮たの」である。温めても冷めても、味が落ちずにおいしく食べられ、福井県では家庭でよく食べられている郷土料理である。
季節を問わず、ご飯のお供として食べるのが一般的。梅干しを入れたり、かつお節を入れたり、家庭によってさまざまなアレンジがある。
歴史・文化、関連行事
発祥の年代は不明であるが、明治初期にはすでにあったとされる。昔は11月になると各家庭でたくわんが漬けられ、盛夏を除く1年分をつくっていた。たくわんは夏を越すと色が黒くなって味が落ちてくる。それを塩出しして、もう一回煮ることにより味を付け直して食べた。古くなった食品を大事においしく食べられるように工夫する、家庭の知恵によって生み出された郷土食である。
地域や家庭により呼び名が異なり、親しみを込めて「古たくわんの煮たの」や「たくわんの炊いたん」と呼ばれるほか、そのままでも食べられるたくわんにわざわざ一手間をかけて、別の料理に仕上げることから「贅沢煮」などとも呼ばれる。また、地域ごとにさまざまな呼び名があり、南越前町河野地区(旧河野村)では「よもこんじ」、越前町朝日地区(旧朝日町)では、一度ぬか漬けしたたくわんを塩出しし、再び調味料を加えて味付けして食べることから「大名煮」ともいう。
製造方法
たくわんが古くなる8月ごろ~11月ごろにつくられる。たくわんを水洗いし、薄切りにする。たっぷりの湯で煮て塩抜きした後、ひたひたになる程度に水を入れて煮る。みりん、砂糖、濃口醤油、鷹の爪を入れ2時間ほど煮込む。お酒やだしを入れて煮たり、煮る前に油で炒めたりするなど、地域によって異なる。煮汁が少なくなるまで煮て完成。最後にお好みで唐辛子や白ごまを加える。
保護・継承の取り組み
家庭でたくわんが漬けられなくなり、たくわんの煮たのもつくられる機会は減った。現在はスーパーなどで季節を問わず、日々のお総菜として販売されている。また、旅館業協同組合の呼びかけにより、県内のホテル・旅館では、朝食に「たくわんの煮たの」などの郷土食を「お幸ざい」と名付けて、観光客に提供されている。
主な食べ方
ご飯や酒のつまみとして食べられるほか、お茶漬けのトッピングとしても最適である。
アレンジレシピ:古たくあんの煮物入りロールサンド(5人分)
材料
古たくあん(塩出しする)
360g
しょうゆ
大さじ2強
出し汁
2カップ
赤唐辛子
1本
白ごま
小さじ1
油
小さじ1と1/2
ロールパン
10個
ハム
5枚
サラダ菜
5枚
マーガリン
適量
マスタード
適量
作り方
古たくあんは2mm位の輪切りにする。
鍋に熱湯を沸かし1を入れ、柔かくなるまで30分程度煮る。
柔かくなったたくあんを1時間位水につけておき、塩分を抜く。その間2~3度水を変える。
調味料を入れた鍋に3を加えて煮る。
最後に唐辛子の輪切りと白ごまを散らす。
出来あがった古たくあんの煮物2~3枚と、サラダ菜、ハム1/4をマーガリン、マスタード(好みで)をぬったロールパンにはさむ。
提供元:「ほっとするね ふるさとの味」(福井県健康政策課、福井県食生活改善推進員連絡協議会)
https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/016250/furusatonoaji_d/fil/003.pdf