玉こんにゃく(たまこんにゃく)
山形県玉こんにゃく(たまこんにゃく)
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
玉こんにゃく、醤油、スルメの出汁
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主な伝承地域
米沢市、山形市、山形県全域
食品概要(特徴・種類)
玉こんにゃくとは、その名の通り、3cmほどの球状をしたこんにゃくのことをいう。板こんにゃくや糸こんにゃくは全国的に普及しているが、玉こんにゃくは山形ならではの食文化である。
また、玉こんにゃくは、食品そのものを指すと同時に、醤油で味付けをした郷土料理を指す言葉でもある。お祭りなどのイベントや観光地など、人が集まるところでは必ず、串に刺す独特のスタイルで醤油の染みた玉こんにゃくが売られ、熱々の玉こんにゃくにからしを付けて食べる。
山形では催しがあれば、歩きながらおしゃべりをしつつ、玉こんにゃくを頬張る姿がそこかしこで見られるなど、県民のソウルフードとして深く生活に根付いている。ちなみに山形のこんにゃくの消費量は、日本一である。
歴史・文化、関連行事
1887(明治20)年創業の老舗、ヤマコン食品の創業者・長谷川松四郎氏が、こんにゃくをおやつ感覚で食べられるよう、みたらしだんごをイメージして玉こんにゃくを考案したとされる。また、別ルートで玉こんにゃくをつくり始めたのが、千歳山のふもとにあるこんにゃく専門店、千歳山こんにゃくだ。大正初頭に漬物製造で創業した同店が、こんにゃくづくりを手掛けるようになった1926(昭和元)年当時、十分な資金がなく、こんにゃくを成型する道具がなかったことから手で丸めて玉こんにゃくをつくり、提供したという。
なお、こんにゃく自体は、平安時代の860(貞観2)年に山形市の宝珠山立石寺、通称「山寺」を開山した慈覚大師(円仁和尚)が中国から持ち帰り、寺の精進料理に使ったのが始まりとされ、次第に県内一帯へと広がったといわれている。芭蕉の俳句でも知られる山寺周辺の飲食店や出店でも、玉こんにゃくは人気商品。寺の本殿へと続く1015段の階段を登る前の〝力こんにゃく〟として、観光客がこぞって買い求め、食されている。
製造方法
収穫したこんにゃく芋を水洗いした後、栽断し、乾燥させてこんにゃくの元となる精粉にする。50~70度に温めた湯に精粉を少しずつ加えながらよく混ぜ合わせ、少し置く。そこに、消石灰をぬるま湯に溶いた石灰水を加え、均一に混ざるよう、手早くこねるように混ぜ合わせる。通常はここで型に流し込むなどするが、玉こんにゃくの場合は丸めてゆでて、アク抜きをして完成となる。
保護・継承の取り組み
食品・調理済み加工品のいずれも市内のスーパーやコンビニなどで購入できるほか、各地のお祭りや学園祭などのイベントで、あるいは観光地や名所旧跡でも季節を問わず販売され、食べられている。
また、県内各所にこんにゃく料理の専門店があり、こんにゃくを使った創作料理とともに玉こんにゃくが提供されている。インターネットでも気軽に購入することが可能だ。
主な食べ方
玉こんにゃくを軽くから炒りし、醤油と裂いたスルメを入れて炒りつける。串に刺し、好みでからしを付けて食べられる。
ポイントは、最初に玉こんにゃくをから炒りすることと、水を使わず醤油だけで炒りつけること。から炒りすると、味が染みやすくなる。