土佐田舎寿司(とさいなかずし)
高知県土佐田舎寿司(とさいなかずし)
分類(大)
農産
分類(小)
穀類
主な使用食材
米、みょうが、たけのこ、りゅうきゅう(はす芋の茎)、こんにゃく、しいたけなど、しょうが、調味料(柚子酢、砂糖、塩、しょうゆ、だし)、ごま
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主な伝承地域
高知県全域
食品概要(特徴・種類)
土佐田舎寿司とは山菜など山の幸をネタにした握りすしのことである。四国の太平洋側に位置する高知県は山間地が多く、海の近くまで山の迫る土地のため、山間部の人々が身近にあるものを使って編み出したご馳走で、土佐弁で宴会のことを指す「おきゃく」の際に振る舞われる。また、おきゃく文化の料理の定番である「皿鉢(さわち・さはち)料理」の中でも欠かせない一品となっている。
主なネタは「りゅうきゅう」と呼ばれるはす芋の茎やみょうがを酢漬けにしたもの、しいたけやこんにゃくを甘く煮つめたものなど山の幸で、見た目も鮮やかで美しい。酢飯には柚子酢が使われ、爽やかかつ素朴な味わいが特徴である。また、魚介や肉、卵を使っていないことから、近年ヴィーガン向け商品開発もされ注目を浴びている。
歴史・文化、関連行事
山間部では海産物が手に入りにくかった時代、身近な食材を使ってご馳走を作ろうという山間地帯の人たちの知恵から生まれたのが始まりである。当時お米も大変貴重なもので、主に冠婚葬祭や祭りなどの行事の際に食されていた。魚を使った寿司に比べると安価で日持ちすることから、日常的に食べられるようになっていった。
地域によってネタは異なるが、基本的には山の幸が使われる。四万十川や仁淀川といった大河も抱える高知では、その自然を背景に多種多様な植物が自生しているため、この土地ならではの独特な山菜を使用している。代表格はイタドリとりゅうきゅう。イタドリは別名スカンポとも呼ばれる野草で、りゅうきゅうは琉球(沖縄)から四国に伝わったことから、高知や徳島ではこの名称が根づいている。また、春たけのこはもちろん、秋の四方竹を用いるのがこの土地ならでは。
土佐田舎寿司として親しまれているが、実は命名されたのは全国ふるさとおにぎり百選に出品された1986年のこと。それ以前はみょうがのお寿司、たけのこのお寿司、などと呼ばれており総称はなかったという。現在では手作りする家庭が減ってしまったが、高知市内をはじめ、県下各地の飲食店ではメニューとして存在し、直売所やスーパーでも買い求めることができる。
製造方法
四方竹は下茹でした後、だし、醤油、砂糖で煮て一晩置く。りゅうきゅうは葉柄部分の皮をはいで塩でアクを抜いてから甘酢漬けに、イタドリは塩漬け、みょうがは甘酢漬けにする。しいたけは柄をとって表面に十字の切れ目を入れて甘く煮る。こんにゃくは茹でた後、切り込みを入れる。
炊きあがった米に合わせ酢(柚子酢、砂糖、しょうがみじん切り)を混ぜ合わせ、さらにいりごまを混ぜる。柚子酢を使うため、さっぱりとした爽やかな味わいが特徴である。
すし飯を握りネタをのせるのが一般的だが、こんにゃくは稲荷寿司のように切り込みに詰め、四方竹は中心に詰める。
保護・継承の取り組み
県内には提供している飲食店があるほか、スーパー、観光地や直売所で買い求めることができる。県庁では2018年「土佐寿司を盛り上げる会」と称して、継承していくために多方面からPR活動を行っている。また、高知県農業振興部では不定期で風土の食を伝える会を催すなど、土佐伝統食研究会がこれまで伝承されてきた調理・加工を発掘して、次世代に伝えていく活動をしている。
主な食べ方
醤油をつけずに、そのまま食べるのが一般的である。家庭で作るときには、ネタは仕込んだ後に冷凍しておき、食べたいときに手軽に作って楽しむ。
アレンジレシピ:土佐田舎寿司ピザ
材料
土佐田舎寿司
ピザ用チーズ
作り方
土佐田舎寿司にチーズをのせて、オーブントースターでこんがりするまで焼く。
器に盛る。