壺造り黒酢(つぼづくりくろず)
発酵食品
鹿児島県壺造り黒酢(つぼづくりくろず)
分類(大)
農産
分類(小)
醤油、味噌、その他調味料
主な使用食材
米麹、米、水
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主な伝承地域
霧島市福山町、霧島市隼人町
食品概要(特徴・種類)
壺造り黒酢は、米麹・蒸し米・水を陶器の壺に入れ、屋外に置くことで自然発酵させた食酢である。
仕込みは春と秋の年2回行われ、1年以上の発酵・熟成期間を経て完成する。屋外にならべた壺を用いて仕込み、発酵させる製法が独特である。温暖であり、寒暖差が小さい鹿児島県の風土を活かした伝統的な製法を守り続けている。
歴史・文化、関連行事
壺造り黒酢は鹿児島県霧島市福山町が発祥で、その歴史は江戸時代からと言われている。発酵が進むと琥珀色になり徐々に色が濃くなることから黒酢と呼ばれる。
福山町は三方を山に囲まれ,残る一方は海に面した平地である地形から一年を通して暖かく、各月の最高気温と最低気温の温度差が小さいことから、微生物の生育に好都合な気象条件である。また、仕込みに使われる薩摩焼の壺が入手しやすかったことから、この地で製造が始まったと言われている。
第二次世界大戦頃には原料となる米が不足したが、米のかわりにさつまいもを使うなど工夫し、その技術を継承してきた。
アミノ酸のほか、ミネラル、ビタミン、有機酸などが含まれており、近年の健康志向の高まりに伴い、黒酢への関心が高まっている。
製造方法
材料のうち「米麹」は、精米歩合の高い米を蒸して冷却し、種こうじとして、黄麹菌をまいて3~4日かけて作る。
屋外に置いた陶器の壺に、蒸した米、米麹、水を順番に入れ、最後に振り麹と呼ばれる米麴を表面にまく。振り麹とは、出来上がった米麹を乾燥させて胞子を生成させたものである。壺の口を紙で覆い、雨よけのふたをして発酵・熟成させる。一つの容器の中で糖化・アルコール発酵・酢酸発酵の3つの工程が自然に進行する製法は、世界的にみても珍しい。
保護・継承の取り組み
鹿児島県では、伝統の製造方法による食品や特徴ある県産原材料の良さを活かした食品、独自の技術により生産された特色のある食品について、製造方法や使用原料等の基準を定め、これに適合するものを「ふるさと認証食品」として認証しており、令和5年3月末現在、つぼづくり米黒酢では58食品が認証されている。
また、鹿児島の壺造り黒酢は文化庁「100年フード」において、「伝統の100年フード部門 ~江戸時代から続く郷土の料理~」に認定されている。
農林水産省の地理的表示(GI)保護制度 には、鹿児島の壺造り黒酢として平成27年12月に登録されている。
主な食べ方
料理の調味料として使われたり、20~30mlを4~5倍に薄めてそのまま飲んだりする。
アレンジレシピ:壺造り黒酢のホット蜂蜜
材料
壺造り黒酢
30ml
はちみつ
大さじ2
熱湯
300ml
作り方
グラスに黒酢、はちみつを入れて、熱湯を注ぎ入れてよく混ぜる。