月の雫(つきのしずく)
山梨県月の雫(つきのしずく)
分類(大)
その他
分類(小)
菓子類
主な使用食材
砂糖、甲州ぶどう
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主な伝承地域
甲府市、甲州市勝沼地区
食品概要(特徴・種類)
月の雫は、果樹王国・山梨を代表するぶどう品種である甲州ぶどうを、生のまま丸々一粒、砂糖蜜で包み込んだ甲州名菓。ぶどう種はさまざまあるが、とくに甲州ぶどうは、高温で溶かしてまとわせる蜜の温度に耐えるだけの皮の厚さと適度な酸味をあわせ持ち、この菓子に向いているとされる。
表面で固まった蜜と、甲州ぶどうのみずみずしい果汁が絶妙な組み合わせになっている。
製造元によって多少の前後はあるものの、新鮮な甲州ぶどうのみを使うため、甲州ぶどうが出回る毎年9月頃から年末、もしくは翌3月頃までの数か月限定で販売される。
現在、数軒の菓子店が少しずつ製法の異なる月の雫を販売するが、江戸末期に出された書籍にもすでに同様の記載がある。歴史が深く、今なお変わらぬ人気を誇る一品である。
歴史・文化、関連行事
起源については諸説あるが、いずれも菓子職人が砂糖を煮ている際に偶然、一粒のぶどうがその中に落ち、食べてみたら思いがけずおいしかったため、商品化したというもの。年代と、菓子職人が誰なのかが説によって異なる。
江戸時代末頃に出版されたガイドブック「甲府買物独案内」には、数軒の菓子店で月の雫が売られていたことが記され、甲斐の名所をめぐる双六「甲斐名所寿古六」にも「極製月の雫」として描かれるなど、その頃にはすでに甲州の銘菓として広く知られていたことがうかがえる。
なお、甲州ぶどう自体はさらに歴史が古く、祖先はヨーロッパに起源をもち、東西交易とともにシルクロードを経て日本(甲州市)へと上陸。それから1000年以上の時間が流れているとされる。
製造方法
ボウルに砂糖と水を入れて強火で加熱し、砂糖が溶けるまでしずかに混ぜると、大きかった泡がだんだん小さくなる。112~114度ぐらいまで加熱し、糸を引く程度の粘度が出てきたら火から下ろして、ボウルごと水につけ、40度まで冷やす。冷めたものをすりこぎで力いっぱい練ると、月の雫の素(フォンザン)が仕上がる。
フォンザンを小鍋にとって200度に設定したホットプレートにのせ、溶けてきたら設定温度を160~180度ぐらいまで下げて、長めに切りとったぶどうの軸をピンセットで持ってフォンザンにくぐらせ、クッキングシートを敷いたバットに取り出す。ぶどうの軸は、冷えたら切りとる。
保護・継承の取り組み
山梨県が次世代への継承に取り組んでいく郷土食176品目「やまなしの食」のうち、さらに代表的な47品目として絞られた「特選やまなしの食」に選定されている。いくつかの和菓子店で製造販売され、観光や帰省の土産、季節の挨拶の手土産などに使われている。
主な食べ方
菓子として、そのまま食すのが一般的。秋冬限定販売の歴史ある銘菓とあって、季節の手土産に重宝されている。