つるし柿(つるしがき)
奈良県つるし柿(つるしがき)
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
柿
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主な伝承地域
五條地域、吉野地域、十津川郷地域
食品概要(特徴・種類)
つるし柿はいわゆる干し柿のことで、柿の代表的な加工品である。家の軒先につるして干すことからこのように呼ばれる。和菓子のような上品な甘みと、もっちりとした食感が楽しめる自然食品で、寒い時期の保存食やおやつとして昔から愛されている。
12月頃から軒先に柿がつるされる風景はこの地域の冬の風物詩である。年末年始を中心に農産物直売所や市場などへ出荷される。
干し柿には、果肉のきめの細かい渋柿が適しているとされ、奈良県では刀根早生(とねわせ)や、平核無(ひらたねなし)、甲州百目(こうしゅうひゃくめ)、法蓮坊(ほうれんぼう)、鶴の子(つるのこ)といった品種が用いられる。
歴史・文化、関連行事
奈良県は柿の生産が盛んな地域で、収穫量は全国2位(令和3年「果樹生産出荷統計」農林水産省)。その中でも特に栽培が盛んなのは五條市の西吉野地域で、この辺りの地形は傾斜地であり水はけと日当たりが良く、また、昼夜の寒暖差が大きいため柿の栽培に適している。
五條市では大正末期の大正10年頃に柿の生産が始まり、昭和30年代後半から40年代前半にかけて盛んに樹園地の造成が行われた。昭和49年には全国一の柿の産地を目指して、国営五條吉野総合農地開発事業がスタート。それまで開墾が困難とされていた荒れ山や急峻地も開発され、一大果樹産地が誕生した。つるし柿は昔から冬の保存食として各家庭でつくられ、現在も柿農家を中心に生産されている。
製造方法
晴れた日が2~3日続く日を選んで柿の皮をむき、へたを取る。縄に果実をつけてからさっと熱湯にくぐらせて表面を殺菌する。風通しの良い場所で1~2か月干すと完成となる。
干し柿にはやわらかくて水分の多い「あんぽ柿」と硬めで水分の少ない「ころ柿」がある(呼称は地域により多少異なる)。あんぽ柿は果実の重さが乾燥前の半分程度のもので、ころ柿はさらに乾燥させ、重さが1/3程度になったもの。 ころ柿には白い粉が表面に吹き出たように付着する(粉を吹く)ものがあるが、これは柿に含まれるブドウ糖や果糖などの糖分が果実表面ににじみ出て結晶化したものである。品種によって粉の吹きやすさは異なり、表面に均一に粉を吹かすには独特の技術が必要である。
保護・継承の取り組み
五條市には「柿博物館」があり、柿の種類の展示や柿の加工品の紹介、柿の試食などが行われている。
主な食べ方
おやつとして食す。柿なますなどで、生柿の代わりに用いられることもある。