うらじろまんじゅう
山梨県うらじろまんじゅう
分類(大)
その他
分類(小)
菓子類
主な使用食材
オヤマボクチの葉、上新粉、餅米、あんこ
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主な伝承地域
甲州市大和地区ほか
食品概要(特徴・種類)
うらじろまんじゅうは、日当たりのよい山野に生息するキク科の多年草、オヤマボクチの葉を生地に練りこみ、あんこを包んだ郷土菓子。産地の甲州市大和地区では、葉の裏が白いオヤマボクチを〝うらじろ〟と呼んでおり、この名がある。
繊維が多く粘りの出るオヤマボクチの葉を、上新粉と餅米の生地にさらに加えるため、食感はまんじゅうというより餅に近く、一方で草餅に似た美しいよもぎ色をしてはいるが、草の味も香りもほとんどしない。味を変えることなく粘りの強くなった生地が、餅米と小豆の素朴な風味を際立たせている。
歴史・文化、関連行事
甲州市大和地区ではかつて、オヤマボクチの葉から取り出した繊維が「ほうとう」のつなぎとして使われており、その手法をまんじゅうに応用したのが、うらじろまんじゅうの始まりとされている。
また、山梨市牧丘地区や県東部の郡内地域では、オヤマボクチの葉をもろこし粉や小麦粉と混ぜて、うらじろだんごがつくられ、旧暦3月3日のひな祭りなどに食べられていた。繊維質が強く粘りは出すものの、無味無臭という特性を持つオヤマボクチは山間の町、南部町などで風味を大切にするそばのつなぎに使われる例があり、他県の有名なそばでも同様の使われ方がされている。オヤマボクチは入手しやすい山間部での活用例が散見される。
ちなみに、オヤマボクチは漢字で〝雄山火口〟と表され、葉の裏に生えている茸毛が、その昔、火起こし用の火口(ほぐち)として使われていたという。
製造方法
5月中~下旬、オヤマボクチの若い柔らかい葉を収穫し、当日のうちに水洗いしてアクを抜く。上新粉を水で練って生地をつくり、餅米は蒸かした後、臼でついて餅にする。アクを抜いたオヤマボクチの葉と上新粉の生地を、餅の入った臼に加えてつきあわせ、その生地であんこをくるむ。
保護・継承の取り組み
道の駅 甲斐大和の売店ではうらじろまんじゅうが人気商品として並ぶほか、ざるうらじろ麺が食事処で提供されるなど、オヤマボクチを活用した食文化に触れられるようになっている。
また、うらじろまんじゅうづくりの体験イベントが「甲斐の国 大和自然学校」などで開催され、つくり方の継承が行われている。
主な食べ方
そのまま食べられることが多いが、少し時間がたって硬くなったものは、焼きまんじゅうにすることもある。