若狭がれいの一夜干し(わかさがれいのいちやぼし)
福井県若狭がれいの一夜干し(わかさがれいのいちやぼし)
分類(大)
水産
分類(小)
乾物
主な使用食材
かれい(ヤナギムシガレイ)、塩
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主な伝承地域
若狭地方
食品概要(特徴・種類)
若狭がれいの一夜干しは、若狭湾で水揚げされるヤナギムシガレイの干物のことである。若狭がれいの大きさは体長20cm前後で、大きいものは25cmを超える。毎年9月から翌年5月頃まで底びき網漁で漁獲されるが、特に9~10月までの2か月間で、年間の漁獲量の7割を占める。
水揚げされた若狭がれいはすぐに「一夜干し」に加工され、市場に出回る。寒風でさっと干し上げるのがおいしく仕上げる秘訣とされる。軒先につるされる様子は、冬の訪れを感じさせる風物詩となっている。
身が淡泊で水分の多い魚であり、塩をして天日に干すことで透き通り、身が締まっておいしさが増す。あぶると身がきれいにはがれ、食べやすい。ほんのりとした上品な甘みが特徴で、地元では「甘かれい」とも呼ばれる。中でも子持ちかれいは、透き通った身にピンクの卵が美しく、脂がのって格別とされている。
歴史・文化、関連行事
若狭がれいは、江戸時代には歌川広重が浮世絵『諸国名所百景』で「若狭かれゐを制す」と題材にしていたり、全国各地の名産品を集めた江戸時代の書物「日本山海名産図会」で「淡乾の品多しとはいえども是天下の出類雲上の珎美と云べし」と賛辞とともに紹介されたりと、古くから若狭の名物として珍重されていた。
製造方法
うろこと内臓を取って水洗いする。その後、塩水に浸すまたは塩を振り、しばらくなじませる。気温により干す時間を調節し、4~5時間から一晩程度干す。
保護・継承の取り組み
ヤナギムシガレイの生息環境を改善するため、海底を耕す海底耕うんを実施している。また、平成19年に「若狭かれい」の名称を地域団体商標に登録している。
主な食べ方
軽くあぶって食べる。炭火のような弱火の遠火で炙るとより風味が良くなる。食べたあとの骨はよくあぶって骨せんべいとして食べられるほか、酒に入れて骨酒にもできる。