
山形そば(やまがたそば)

山形県山形そば(やまがたそば)
分類(大)
農産
分類(小)
穀類
主な使用食材
そば
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主な伝承地域
山形県全域
食品概要(特徴・種類)
村山・置賜・庄内・最上それぞれに独自の食文化を育んできた山形県だが、共通する伝統食が「そば」である。古くは家々で「かいもち(そばがき)」や「そば米(そばの実)」がつくられてきたが、そば切りの時代に入ると地域で違いが生まれ、家・店ごとに独自色を出す工夫が凝らされて、バラエティ豊かなそば文化が花開いた。その多様性が、山形そばの一番の特徴である。
代表的なのは、村山地域などの内陸部で食されてきた「板そば」だ。農作業の後などに大勢で一緒に食べられるよう、長い板や木箱でそばを出した〝そば振る舞い〟の風習に由来する。蒸篭よりそば表面に残る水分が多く、のど越しのよいみずみずしさが味わえる。
そのほか、月山の湧き水で打った田舎そばを茹で、鍋に仕立てた山菜やきのこの汁に入れながら食す西川町の「月山山菜そば」や、コシの強い田舎そばに鶏ダシを効かせたタレをかけ、親鶏のチャーシューなどをのせる河北町の「冷たい肉そば」、山形市を中心に県内全域で見かける「ゲソ天そば」などがよく知られる。
また、「天保そば」や「寒晒しそば」のように、昔のそばの復元が昭和・平成で行われ、時期や数量は限られるが県内のそば店で提供されるまでになっている。とくに天保そばは品種改良前の原型とあって、そばの風味が強いという。
歴史・文化、関連行事
1684(天和4/貞享1)年頃に江戸でそば切りが売られ始めた4・5年後には、山形にもその技術が伝わっており、多種多様なそばがバラエティ豊かな食し方で楽しまれるようになった。
豊かな水、寒暖差の大きい気候など、そばの生育に適した風土をもつ山形県は有数のそばの産地でもある。ただし、江戸時代からのそば文化が受け継がれてきたのではなく、いっとき衰退し、1970年代からの水田の転作以降に、農機具の進化や手打ちそばブームの後押しもあって、店で出す・食べるにとどまらず、地域や親戚の集まり等では一般家庭でもそばが打たれ、振る舞われるなど、一層盛んになった。
山形のそばの実の主流は、独自開発した「でわかおり」と県北地域の在来種がルーツの「最上早生」。そこに2022(令和4)年、鶴岡市宝谷地区特産の新品種、食味のよい「でわかおり」と多収性の「常陸秋そば」を交配させた「でわ宝(山形BW5号)」が加わった。
新たなそばを生み出す一方で、失われた昔のそばの復元も行われてきた。「天保そば」は天保時代(1830~1844年)のそばの実を発芽させて栽培し、他種との交配を避けて離島の飛島で収量を増やしてきたもの。もともとは福島の旧家の屋根裏で、1998(平成10)年に見つかったそばの実だが、縁あって山形で復活することとなった。さらに、厳寒の川に玄そばを漬け込み、寒風に晒す「寒晒しそば」もまた、1974(昭和49)年から10年がかりで復元された。信州高遠藩から山形藩主になった保科正之が伝えたとされる、由緒あるそばだ。
製造方法
手打ち製めん:
こね鉢、打ち台、めん棒、まな板、コマ板、そば切り包丁などの道具を使い、水回しから包丁切りまでのすべての工程を手作業で行う。
工程は大きく3つ。そば粉に適量の水を加えて均一になじませる〝水回し〟、くくり・へそだしまでを行う〝木鉢作業〟、生地を所定の厚みまでめん棒で延ばす、打ち台での作業および延ばした生地を折りたたんでめん線に切る〝包丁切り〟である。
昔から「木鉢三年、延ばし三月、包丁三日」などといわれるように、最初の木鉢での水回しとくくりが最も重要とされる。
保護・継承の取り組み
山形県ではとくにそば店が集中する地域を「そば街道」と呼び、その数10 以上。最上川三難所そば街道(村山市)、大石田そば街道(大石田町)、おくのほそ道 尾花沢そば街道(尾花沢市)などがあり、各街道でそば店や観光スポットを紹介するマップ付きのパンフレットを作成し、配布している。11月の新そばの時期には、そばが主役の祭りを開催する町も多い。
また、そば打ち体験がさまざまな場所で開催されるほか、乾麺あるいは生麺がスーパーなどで売られ、インターネット販売も行われている。
主な食べ方
茹でたそばを冷水で〆つつ、ぬめりを取り、ざるそばや板そばにして、ダシを効かせたつゆで食べられる。冬場は温かい汁そばにして食べることも多い。
アレンジレシピ:肉そば

材料
山形そば(乾麺)
2人前
鶏もも肉
100g
水
400cc
めんつゆ(ストレート)
大さじ1
みりん
大さじ1
酒
50cc
青ねぎ(小口切り)
適量
作り方
鶏肉はそぎ切りにする。
鍋に分量の水を入れ沸騰したら1の鶏肉をゆでて、鶏肉は取り除き、あくと油は取る。
めんつゆ・みりん・酒を入れてもう一煮立ちする。鍋の中身をボウルに移し粗熱をとり冷やす。
そばはパッケージ通りに茹でて、よく洗い氷水でしめて水気を切る。
器に4のそばを盛り、鶏肉をのせて、3のつゆをかけて青ねぎをかける。