山川漬(やまがわづけ)
発酵食品
鹿児島県山川漬(やまがわづけ)
分類(大)
農産
分類(小)
漬物
主な使用食材
だいこん、塩
※ダウンロード可能な画像を使用する場合は「リンクについて・著作権」をご一読の上、
出典を農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」と明記し、ご利用ください。
なお、画像提供元の記載がある場合は画像提供元も併せてご記載ください。
画像提供元の記載例
【画像提供元の記載がない場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
【画像提供元の記載がある場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
指宿市山川町、県内全域
食品概要(特徴・種類)
鹿児島県の南端に位置する指宿市山川町の特産品である山川漬は、干しだいこんを甕(かめ)で漬け込み、熟成させた伝統的な漬物である。香ばしい味わいが特徴で、噛むほどに味が深くなる。特に山川地方のだいこんである山川だいこんを使用することで独特の風味が生まれる。見た目や製法が異なるたくあんと比べ、しわしわとした茶色の外観と強い歯ごたえが特徴的である。
歴史・文化、関連行事
文献によると、文禄元年(1592年)に豊臣 秀吉の朝鮮出兵に際し、山川港から出航する島津 義久の軍船に付近の農家が漬けただいこんの漬物を食料として積み込んだと記されており、これが今日の山川漬であると考えられる。
当時山川は港町であり、かつおの陸揚げや南蛮貿易により、多くの文化が交錯していた。その文化交流の中で生まれた山川漬は、保存食として船旅に利用されていたようだ。また、温暖であり冬に霜が降りづらい気候が昔からだいこんの栽培に適していたことも、食文化が根付いた背景にあったようだ。
製造方法
収穫しただいこんを3~4週間の間、天日や季節風で寒干しする。だいこんに塩を塗り、杵でつく。すのこを敷いた甕(かめ)を用いて3か月以上、塩漬けにし、熟成発酵させる。漬け込んだだいこんは流水で塩抜きが行われる。熟成後のだいこんを醤油や黒酢、三杯酢などの調味液で味付けする。
保護・継承の取り組み
鹿児島県では、伝統の製造方法による食品や特徴ある県産原材料の良さを活かした食品、独自の技術により生産された特色のある食品について、製造方法や使用原料等の基準を定め、これに適合するものを「ふるさと認証食品」として認証しており、令和5年3月末現在、山川漬では4食品が認証されている。
主な食べ方
独特な食感と風味を楽しむべく、ご飯のおともやお茶請けとして用いられる。かつお節や、こんぶ、ごま等とともに食すこともある。