大和茶(やまとちゃ)
奈良県大和茶(やまとちゃ)
分類(大)
その他
分類(小)
飲料
主な使用食材
茶葉
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主な伝承地域
大和高原地域、奈良市、山添村、宇陀市、大淀町、東吉野村
食品概要(特徴・種類)
大和茶は、奈良県の北西部、大和高原地域となる奈良県奈良市、山添村を中心に、宇陀市、大淀町、東吉野村などにおいて、標高200~500mの高冷地で栽培される。朝晩の寒暖差、豊富な水源と肥沃 (ひよく)な大地が育む大和茶は、茶葉の香りが高く、滋味が濃厚なことが特徴だ。
種類は主に煎茶、かぶせ茶、てん茶、番茶となる。
歴史・文化、関連行事
大和茶の栽培の歴史は、大同元年(806年)に始まったと伝わる。空海(弘法大師)たちが唐から日本へ持ち帰った茶の種子を、佛隆寺(仏隆寺、現宇陀市)にまいたのが始まりと伝わる。
以来、茶の栽培に適した自然条件であったことから、大和高原一帯は茶の産地となった。大淀町で江戸時代以前から生産される「日干番茶(にっかんばんちゃ)」も歴史ある大和茶の一つであり、大淀町に残る大淀町史では、寛永16年(1639年)に「茶年貢」の制度があったことが伝わる。日干番茶は、香ばしさ、渋みの少なさ、のど越しの良さが特徴だ。
製造方法
お茶の生葉を蒸し器で蒸し、「葉振るい」で葉を振るい、水分を取る。力を加えて「回転もみ」を行う。「もみきり」で形をつけ乾かす。「でんぐりもみ」で針状に伸ばす。「こくり」と呼ばれる作業で、茶葉の形を整え、光沢を出す。手もみ製茶の場合、これらの工程が5~6時間かけて行われる。3kgの生葉からできる茶葉は600g程であり、大変手間のかかる作業である。現在は機械による製茶が主流であるが、工程の原理は手もみ製茶の応用となる。
摘み取った生葉を蒸さないで、そのままもんで発酵させ乾燥したものが紅茶となる。
日干番茶は、摘み取った茶葉を十分に蒸し、その後しっかりと乾燥させ、焙 (ほう)じてつくられる。熱や圧で揉まずに天日で乾燥させるのが大きな特徴であり、香りが高くあっさりとした味わいとなる。
また、高原で栽培されることから他産地と比較し一番茶の生育が1か月程度遅れるが、大和茶ならではの取り組みとして、7月に収穫する二番茶の品質の向上を目指し、一番茶の収穫後に一番茶新芽の残葉だけでなく、下部の硬くなった枝葉も含めて6月に収穫する「親子番」と称した手法に産地をあげて取り組んでいる。6月の梅雨の時期に収穫・製造することから「梅雨番茶」とも呼ばれる。
保護・継承の取り組み
大和茶を世界に広めることを目的として、また近年、アメリカ、EU、台湾で広がる日本茶需要に応えるため、奈良県とJAならけんは、GAP(農業生産工程管理。詳細はこちら)認証の取得支援など、輸出相手国ごとの基準をクリアするための生産方法確立に取り組んでいる。
県内における大和茶の食文化の継承、ブランド認知の向上を目的として、奈良県が運営する大和茶研究センターでは、小中学生の社会科見学、遠足の受け入れを実施している。この取り組みは40年以上にわたり続けられている。
主な食べ方
湯飲みにお湯を入れ、茶葉を入れた急須に湯飲みのお湯を注ぐ。約1分後に湯飲みへ均等に「廻し注ぎ」をする。茶葉を泳がせるお湯は60~70℃が望ましいとされる。急須から湯飲みへ注ぐ際は最後の一滴まで注ぐ。紅茶と同様に最後の一滴が茶のコクに影響を与える。