山うに(やまうに)
福井県山うに(やまうに)
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
黄ゆず、鷹の爪、福耳唐辛子(赤なんば)
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主な伝承地域
鯖江市河和田地区、池田町
食品概要(特徴・種類)
山うには、300年以上も前から鯖江市河和田地区や池田町などの山間部の家庭に伝わる薬味。名前はうにだが、海のものは使われていない。すりつぶした黄ゆず、赤なんば(萬願寺唐辛子)にたかの爪と塩をすり鉢で混ぜて練り上げてペースト状にしたもので、鮮やかな朱色がまるでうにのようであることが名前の由来である。ぴりっとした辛味の中に、ゆずの爽やかな風味が香るのが特徴。赤くする場合は赤なんばを多くし、辛くする場合はたかの爪を多くするなど、家庭によって配合はさまざまである。
夏を越し、11月頃に完熟したゆずと赤なんばを用いて、手作業でつくられ、冬の間、鍋料理や味噌汁、うどんなどのさまざまな料理の薬味として食べられてきた。今日では商品化され、季節を問わず食べることができる。
歴史・文化、関連行事
山うには、自給自足の生活の中で、庭になっている完熟して黄色くなったゆずと、赤くなった赤なんば(本来は赤くなる前に収穫する)を有効活用するために考えられたのが始まりとされる。ゆずのビタミン、ミネラルをまるごと取れる山うには、冬の間の保存食として重宝された。
発祥の年代は定かではないが、その昔、行商人が持ってきた塩うにを見て、色や形状が似ていることから「山のうに」=「山うに」と名付けたとされる説もあることから、行商人が行き来していた江戸時代頃にはすでに存在していたのではないかと考えられる。
伝承地の一つである鯖江市河和田地区では、山間部に伝わるのは赤なんばが入った赤い山うにであるのに対し、平野部では「柚(ゆ)うに」と呼ばれ、赤なんばを使わないため黄色であることが特徴である。また、池田町では「ゆずうに」として親しまれてきた。近年、河和田地区では地域食文化としてブランド化するにあたり「山うに」として統一してPRや商品開発を行い、年間を通じて食されるようになった。
製造方法
ゆず、赤なんば、塩、たかの爪を用意する。ゆず100に対して、赤なんば30、塩10、たかの爪数本の割合を基本とし、好みに合わせて調整する。塩を多くすると保存性も増す。赤なんばとたかの爪は種とへたを取り除き、みじん切りにする。ゆずは絞り、種を取り除き、皮ごと実をみじん切りにする。赤なんばとゆずそれぞれをすり鉢ですりおろした後、混ぜ、さらに滑らかになるまですりおろす。色が均一になったら塩とたかの爪を好みに合わせて加えて混ぜ合わせる。フードプロセッサーですりおろすと滑らかに仕上がる。すればするほど甘味やうま味が出てくると言われるが、すり過ぎると苦味が出るとされ、このすり加減に熟練の技術が必要とされる。
保護・継承の取り組み
近年は地域の貴重な食文化として注目され、地元の団体や企業がその魅力を発信している。山うにの魅力を発信する団体は、山うにの生産から販売まで行い、運営する喫茶店でメニュー提供を行っている。また、地元企業は、生産工程の機械化により生産量を増やすとともに、レシピの開発や大手菓子メーカーや飲食チェーンとコラボレーションした商品開発を行い、山うにの可能性を広げている。また、鯖江市河和田地区では原材料となるゆずを確保するために、地域の家にゆずの木を植えてもらう里親制度を設け、ゆずの生産を推進している。
主な食べ方
かつては冬に家庭でつくられていたため、鍋やうどんなど温かい冬の料理に使われることが多かったが、近年では通年販売されており、万能薬味として和食から洋食までさまざまな料理に使われる。また、薬味としてだけでなく、たこ焼きの生地に練り込むなど、新たな使い方も開発されている。
アレンジレシピ: 山うにカルボナーラ
材料
パスタ
100g
厚切りベーコン
50g
たまねぎ
1/4玉
卵黄
1個
生クリーム
50ml
パルメザンチーズ
大さじ2
オリーブオイル
大さじ1
ニンニク
1かけ
ディル(ハーブ)
少々
山うに
小さじ1
パスタの茹で汁
50ml
こしょう
少々(お好みで)
塩
少々(お好みで)
作り方
食材のカット :
たまねぎを薄切りにする 。
ベーコンを短冊切りにする 。
にんにくを半分に切り、芽を取り除く。
包丁の腹でにんにくを潰す。
具材を炒める :
にんにくとオリーブオイルをフライパンに入れ、弱火で炒め、オイルへにんにくの香りをうつす 。
ベーコンを追加で入れる。
ベーコンの油がでてから、ベーコンの上にたまねぎを置き、しばらく炒める 。
ベーコン、たまねぎの様子をみながら、混ぜながら炒める。
パスタを茹でる :
鍋に塩を入れ、お湯を沸かす 。
お湯が沸騰したらパスタを入れ、茹でる 。
※お使いのパスタに適した時間茹でてください。
ソースを作る :
パスタを茹でている間に、大きなボウルにソースをつくる 。
生クリーム、山うに、卵黄、パルメザンチーズをボウルに入れ、混ぜ合わせる。
パスタを炒める :
2のフライパンにパスタの茹で汁を入れ、強火で炒め乳化させる 。
※オイルとパスタの茹で汁が合わさり白っぽくなります 。
フライパンに茹でたパスタを入れ混ぜ合わせる。
仕上げ:
4のボウルに5を入れて混ぜ合わせ、ソースと具材を絡める 。
お皿にパスタを盛り付け、ディル、こしょう、オリーブオイル、山うにをのせる。