柚子ポン酢(ゆずぽんず)
高知県柚子ポン酢(ゆずぽんず)
分類(大)
農産
分類(小)
醤油、味噌、その他調味料
主な使用食材
柚子、酢、醤油、みりん、鰹節、昆布
※ダウンロード可能な画像を使用する場合は「リンクについて・著作権」をご一読の上、
出典を農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」と明記し、ご利用ください。
なお、画像提供元の記載がある場合は画像提供元も併せてご記載ください。
画像提供元の記載例
【画像提供元の記載がない場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
【画像提供元の記載がある場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
高知県東部
食品概要(特徴・種類)
柚子ポン酢は、酢に柚子果汁を加えた調味料のことである。柚子の生産量全国1位を誇る高知県において、県民の台所には欠かすことのできない常備品である。水炊き、ちり鍋や湯豆腐といった鍋ものはもちろん、刺身、焼き魚や冷奴などあらゆる料理に利用される。
県東部に位置する中芸地区は降水量が多く、乾燥に弱い柚子を育てるのには抜群の環境である。また無農薬栽培なこともあり、のびのびと育った大ぶりで香り高いのが高知県産柚子の特徴で、毎年11月頃に収穫時期を迎える。栽培管理が難しく希少価値の高い「実生(みしょう)ゆず」で柚子酢が作られているのも高知県産ならではの魅力だ。
1986年頃、各家庭で食されていた柚子ポン酢が本格的に商品として販売されるようになり、全国にも広く周知されるようになった。現在はスーパーマーケットでも調味料コーナーには一年中並び、昔と変わらず高知県民の台所の必需品として愛され続けている。
歴史・文化、関連行事
元々土佐には柚子を筆頭に、ブシュカン、直七、だいだい、スダチなどの柑橘類を料理に供して食する酢みかん文化が古くより根づいており、その種類は40種類以上にも及ぶ。だいだいの採れる冬にはさばや寒ぶりと、ブシュカンの採れる夏にはメジカの新子と、柚子の採れる秋にはウツボというように、高知では季節の旬と組み合わせて柑橘を食してきた。皿鉢(さわち・さはち)料理で有名な土佐ならではの粋な食文化といえよう。
柚子産地で有名な東部に位置する馬路村、北川村そして安芸市は、土地の大半が森林に囲まれており昔は林業が盛んであった。林業が傾いてきた1965年頃、元々各家庭の庭先に柚子の木があるというほど柚子が定着していたこともあり。新たな産業として試みたのが柚子の販売だった。ところが、家庭のほとんどが兼業であること、高齢化も重なり、果実として状態の良い柚子を販売することが困難となる。そこで、果実としてではなくポン酢として販売せざるを得なくなった。これこそが柚子ポン酢が商品として誕生した発端である。
その後、大手メーカーが販売する鍋用のポン酢しょうゆ市場が拡大していき、高知県内の柚子ポン酢生産者は東京や大阪へと販路を広げていった。現在では高知の柚子ポン酢は柚子の風味が濃いことから、全国的に高知産の柚子ポン酢のおいしさが認知されるまでになっている。また、柚子だけでなく、様々な柑橘を使ったご当地ポン酢が販売されており、酢みかん文化は広がり続けている。
製造方法
本来のポン酢は、柑橘果汁(柚子果汁)と酢を合わせたもの。一方、ポン酢しょうゆは、昆布とかつお節を煮てだし汁を作り、醤油、柚子の絞り汁、みりんを加えて味付けする。現在は瓶詰めが一般的で、完全に密閉された状態で保存される。
保護・継承の取り組み
2013年に行われた「土佐の酢みかん文化を楽しむ会」の開催を皮切りに、2014年には土佐の酢みかん文化研究会が発足され、冊子制作や各種イベント活動などで土佐独自のポン酢の魅力を伝える活動をしている。2019年からはイベント名を「土佐の酢みかん&土佐寿司まつり」に改め、高知の伝統食品である酢みかんを使用して作る土佐ずしも合わせて紹介、参加者たちを楽しませている。また、ユネスコの無形文化遺産に登録された和食の提案書にある「四季や地理的な多様性」との文言を受け、土佐の酢みかん文化を和食の一環として世界へ広げるべく活動を続けている。ご当地ポン酢の中には、2020年に地域の農林水産物や食品の名称を守ることを目的とした国の「地理的表示(GI)保護制度」に登録された物部ゆず(香美市)を使った商品も販売されている。
主な食べ方
鍋物はもちろん、酢の物、焼き魚、刺身、冷奴など実に様々な料理にかけて食す。サラダのドレッシングや炒めものの隠し味など、調理にも広く使われている。
アレンジレシピ:柚子ポン酢ドレッシング
材料
柚子ポン酢
大さじ3
すり胡麻
大さじ1
砂糖
小さじ1
醤油
小さじ1/2
ごま油
大さじ1
作り方
ボウルにごま油以外の材料を入れてよく混ぜて、ごま油を少しずつ加えてその都度よく混ぜて、ドレッシングを作る。