ずんだ
宮城県ずんだ
分類(大)
農産
分類(小)
穀類
主な使用食材
大豆、砂糖、塩
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出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
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主な伝承地域
県全域
食品概要(特徴・種類)
ずんだは、えだまめを茹でて薄皮を取り除き、すりつぶしたもの。これに砂糖と少量の塩を加えて混ぜ合わせて作った餡に、つきたての餅を絡めたものがずんだ餅で宮城県の代表的な郷土料理。ずんだ餅は、笹かまぼこ、牛タンと並ぶ宮城県の三大名物の一つである。鮮やかな緑色の餡と、つるりと輝く真っ白な餅とのコントラストが見た目も美しく食欲がそそられる。ほんのりとした素朴な甘み、豆の風味、つぶつぶとした食感がもっちりとした餅と絶妙なバランスを作り出している。
昔から宮城県では、餅を食べる機会が多く、正月や婚礼、法事、葬儀などの年中行事には欠かさず餅が食べられてきた。夏に収穫期を迎えるえだまめを使ったずんだ餅はお盆やお彼岸の供え物や来客のもてなしとして出されることが多い。
昔からずんだ餅は夏の暑さで食欲が減退した時の栄養補給に重宝されていた。えだまめに含まれるビタミンB1とB2などの成分は、エネルギー代謝を高め、疲労回復にも効果があると言われている。
歴史・文化、関連行事
ずんだの歴史は古く、500年以上昔の戦国時代にまで遡る。その名前の由来には諸説あり、伊達政宗が合戦の際に陣中で「陣太刀(じんだち)」の柄でえだまめを潰して食べたのが始まりとなり、それが訛ってずんだと呼ばれるようになったという説や、仙台藩の領内に住んでいた「甚太(じんだ)」という農民がえだまめを潰して餅に混ぜて食べていたところを見た人たちが「甚太餅(じんだもち)」と呼ぶようになったのが訛ってずんだ餅になったという説があるが、定かではない。このずんだの食べ方をする地域は、伊達政宗が領土としていた奥州一帯であり、東北地方に多い。今日食されている甘いずんだ餅になったのは、幕末の頃と言われている。
以前は、ずんだ餅はえだまめが出回る7~9月だけのものだったが、現在は、自動さや剥き機の開発と冷凍技術の発達により、一年を通して食べられている。また、宮城県名物として全国的に有名になり、観光客の土産として購入されることも多い。
今でもずんだが宮城の郷土料理として愛されているのは、伊達政宗の歴史的背景が関連しているからと考えられる。
製造方法
ずんだはえだまめをやわらかめに茹でて、薄皮をむき、食感が残るようにすりつぶす。そこに砂糖と少量の塩を加えて混ぜ合わせて作る餡とつきたての餅を絡めたものがずんだ餅である。かつては子供たちがさやからえだまめを取り出す作業を手伝うなど家族総出で作っていたが、現在はずんだを使用した菓子など応用商品も多数販売されており一般に市販されているものを食べることが多い。
保護・継承の取り組み
県内のスーパーや専門店はもちろん、宮城県の特産品として駅や土産物店で観光客向けに販売されている。ずんだ餅を始め、ずんだを使用したメニューの人気は高く、2023年実施の仙台市観光実態調査では、仙台市の魅力として「グルメを楽しめる」と答えた人が40%を占め、女性においては全世代を通してずんだ系(ずんだを使用したグルメ)の体験率が高いという結果が表れている。多様なメニューに利用されることで、ずんだは県内外の幅広い世代に愛されている。
主な食べ方
ずんだは、元々餅に絡めたずんだ餅が一般的だが、現在では、ずんだシェイク、ずんだどら焼き、ずんだケーキ、ずんだかき氷など、和洋を問わず、様々なスイーツと組み合わせて食されることが増えている。
アレンジレシピ:ずんだ入り白玉団子のごま揚げ(8個分)
材料
白玉粉
140g
小麦粉
10g
水
150mL
砂糖(粉の30%)
50g
ラード(粉の約5%)
8g
ずんだあん
150g …8個に丸める
みがきごま
大4(白ごまでよい)
揚げ油(吸油率5%)
作り方
白玉粉は細かく砕いてから小麦粉を加えて混ぜる。 水に砂糖を加え、170℃になるまで煮詰め、ラードを加えて冷ましておく。 ずんだあんは8個に丸めておく。 みがきごまをバットに用意しておく。
白玉粉に砂糖水を加えてよくこね、8個に切り分ける。 1個分を丸めて、外側を薄めに中心部が厚めになるように7~8cmの円形に 広げる。真ん中にずんだあんをのせて包む。
丸めた団子をみがきごまをまぶして油で揚げる。
<揚げ方> 団子を140℃の油に入れ、初めのうちは団子を箸で動かして鍋の底についた部分が焦げないように注意する。少しずつ温度を上げて、団子が浮いてくるまで10分位揚げる。団子を取り出したときの温度は170℃位がよい。これ以上の温度になるとごまが焦げ、団子が割れやすい。
提供元:高澤まき子