石川県
海の幸・山の幸で花開いた"加賀百万石"の味覚
北陸地方の中部に位置し、東は富山県と岐阜県、南は福井県に接する石川県。県土は、能登地区・加賀地区で北と南に分かれている。2つの地区は、地形が大きく異なっており、能登地区は標高300m以下の低山地と丘陵地が大部分を占めている。日本海側に面した海岸・外浦(そとうら)は河岸段丘が発達し、急傾斜地に広がる「白米千枚田」をはじめとした棚田や、海の強い潮風から家屋を守る間垣と呼ばれる竹の垣根など、日本の農山漁村の原風景ともいわれる独特の景観が見られる。それとは対照的に富山湾側の海岸・内浦(うちうら)は、波がおだやかな静かな海岸線が続く。また、伝統的な技術として、「揚げ浜式」と呼ばれる日本で唯一能登にのみ残る製塩法や、女性が素潜りでサザエやアワビを採る「海女漁」、里山の保全・管理と密接に結びついた「炭焼き」などが受け継がれている。
一方の加賀地区は、標高2702mの白山を最高峰とする山岳地帯と山地帯が発達。河川の浸食や堆積によって広い平野が形成されている。海岸部は南部をのぞいて砂丘海岸が連なり、 日本有数の規模を誇っている。平野部は比較的温和な気候だが、冬は北陸地方特有のしぐれ現象で曇りや雨の日が数日続くことも少なくない。
前田家の居城・金沢城のある金沢市は、加賀藩のお膝元。城下町が築かれ、武家文化が醸成されていった。また、歴代藩主は文化事業に強い関心を寄せ、工芸や茶道などを庶民にも奨励した。現在、九谷焼をはじめ輪島塗や金沢箔など10品目が国指定伝統的工芸品となり継承されている。また、茶道・華道をたしなむ人の割合は全国トップレベルである。
海に囲まれた能登地区、平野が広がる加賀地区、さらに城下町として栄えた金沢近郊。歴史も違えば暮らしも異なるそれぞれの地区で食文化が築かれている。
石川県の伝統食
うちの郷土料理
次世代に伝えたい大切な味
石川県の郷土料理